「あなたが黒人だから」17歳ガウフへ向けられた“奇妙な質問”が物議。大坂なおみの会見ボイコットに納得の声も<2021百選>
2021年のスポーツ界における名場面を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、テニス界を席巻した超新星へ向けられた質問をクローズアップする。当時、全仏に参加していた17歳のコリ・ガウフは、ある記者から物議を醸す質問を受ける——。
記事初掲載:2021年5月31日
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17歳の超新星へ向けられた“ある質問”が物議を醸している。
現地時間5月30日から2週間にかけて開催されるテニスの四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/グランドスラム/クレー)。その開幕前の28日には、女子世界ランク25位のコリ・ガウフ(米国)が記者会見に登場したが、その中で場の空気が凍りつく一幕があった。『Yahoo Sport』豪州版が伝えている。
テニス界の期待を受けるガウフにある記者は、「あなたはよくウィリアムズ姉妹と比較されますね」と切り出すと、その要因を「黒人だからかもしれません。でも私は才能があるアメリカ人だからだと思います」と言及。さらに、今大会の決勝でセレナ(米国)と戦う可能性について「それはあなたが望むことですか? 彼女とは22年の隔たりがありますが…」と問いかけたのだ。
これに対してガウフは笑みを浮かべながら、「セレナと決勝で対戦できたら素晴らしいこと。私はそれをずっと夢見てきたわ」と回答。さらに「ただ、私は自分自身であることに集中している。私はセレナにはなれないし、セレナも私にはなれないから」と冷静にコメントした。
さらに、「なんでみんなが私たちを比較したいかのはわかる」と理解を示したガウフは、「セレナの後継者とかセレナの次世代プレーヤーとしては知られたくない」と吐露し、「私はただココ・ガウフとして知られたいの」と切実な思いを明かした。
この質問はSNS上で小さくない波紋を広げている。同メディアは「奇妙で衝撃的だ」と厳しく非難。今大会の直前には、世界2位の大坂なおみが“会見ボイコット”を表明していたが、「(この一件で)オオサカの懸念が正当だったと納得するファンもいるだろう」と指摘している。
17歳とは思えない冷静な回答で「衝撃を受ける質問に対して見事だった」と称賛を集めたガウフは、今大会に第24シードで出場。初戦で世界57位のアレクサンドラ・クルニッチ(セルビア)と対戦する。
構成●THE DIGEST編集部
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