最高の一瞬『日本男子100m_山縣亮太(陸上競技)』
100mで9秒台を出すのは、日本人にとって大きな壁になっています。
現在ではサニブラウン・アブデル・ハキーム選手、桐生祥秀選手、小池祐貴選手が9秒台に突入していますが、なかなかコンスタントに出すことは難しいようです。それでも日本選手権の100m決勝では、いつも9秒台が出るのではと期待をして撮影をしています。
2017年に、10秒00の記録を持つ山縣亮太選手のトレーニングやインタビューを撮影したことがありました。9秒台を目指し、スタートや走るフォームを動画で何度もチェックしていたのが印象に残っています。
そして翌2018年に山口県で行われた日本選手権の100m決勝。予選から調子が良さそうだったので、決勝では迷いなく彼狙いでフレーミングしました。50mメートル過ぎから山縣選手のスピードが増してくるのを感じ、シャッターを押し続けました。
ゴールの瞬間、7レーンを走る山縣選手を中心に、6レーンの小池祐貴選手、8レーンの多田修平選手しかファインダーから見えなくて、4レーンの桐生祥秀選手、5レーンのケンブリッジ飛鳥選手は視野に入っていなかったため、一瞬誰が優勝かわかりませんでした。
ただ山縣選手は、ゴール直後に一瞬フィニッシュタイムをチラ見して右手を大きく突き上げたのです。
今年6月には29歳になる山縣選手。このところ調子を上げてきているので、期待しています。
▼高橋 学(たかはし・まなぶ)
1975年、福島県福島市生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より(有)ジャパンスポーツで実績を重ねてフリーランスに。現在はサッカー、フットサル、陸上、フィギュアスケートなど様々なスポーツを取材している。
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