上位進出を狙うチームの“ラストピース”?現地メディアがバイアウト候補の実力者を紹介!<DUNKSHOOT>

移籍期限最終日にシュルーダー(左)はロケッツ、ドラギッチ(右)はスパーズにトレードされたが、バイアウトの可能性が噂されている。(C)Getty Images
 現地時間2月10日(日本時間11日、日付は以下同)、NBAは今季のトレード・デッドラインを迎えた。各チームはチャンピオンシップやプレーオフ、あるいはプレーイン・トーナメント進出をかけてレギュラーシーズン後半戦、そしてプレーオフへ向けて過酷な戦いを続けていく。

 トレードは締め切られたが、戦力補強する方法はある。それがバイアウト・マーケットだ。3月1日までにウェイブ(またはバイアウト)された選手は制限なしフリーエージェント(FA)になって他チームと契約後、プレーオフへ出場できる資格を持つ。

 昨季はブレイク・グリフィン、ラマーカス・オルドリッジ(いずれもブルックリン・ネッツ)、アンドレ・ドラモンド(ロサンゼルス・レイカーズ/現ネッツ)という元オールスタービッグマンがバイアウトによってFAとなり、優勝を狙う複数のチームから注目を浴びた。

 では、今季のバイアウト・マーケットに出てくるのはどんな選手たちなのか。米『Yahoo! Sports』は11日に候補として下記の4選手を挙げている。
 ■米『Yahoo! Sports』が発表した今季のバイアウト候補選手たち
ゴラン・ドラギッチ(サンアントニオ・スパーズ)
デニス・シュルーダー(ヒューストン・ロケッツ)
ギャリー・ハリス(オーランド・マジック)
ロビン・ロペス(オーランド・マジック)

 昨夏トレードでトロント・ラプターズへ加入したドラギッチは、家庭の事情により昨年11月中旬からチームを離脱。10日にスパーズへ移籍したものの、契約は今季限りで、ウエスタン・カンファレンス12位(21勝35敗/勝率37.5%)のスパーズでプレーするかは微妙。

 35歳の技巧派コンボガードがFAになれば、ダラス・マーベリックスが獲得候補の筆頭となる。元スロベニア代表のドラギッチは、同国代表のルカ・ドンチッチとのプレーを望んでおり、マブズには同国代表の元指揮官イゴール・ココスコフがアシスタントコーチとして所属していることから、すぐさま新たなチームが決まるだろう。

 シュルーダーはトレード・デッドライン最終日にボストン・セルティックスからロケッツへ移籍。だが28歳の司令塔がロケッツでプレータイムを獲得できるかは怪しいところ。

 というのも、ロケッツにはケビン・ポーターJr.やジェイレン・グリーン、エリック・ゴードン、ギャリソン・マシューズ、ジョシュ・クリストファーとバックコート陣が豊富だからだ。

 となると、シュルーダーは新たな所属先を見つけるべく、バイアウトの末にFAとなる可能性が浮上する。
  マジックはここまでイースタン・カンファレンス14位の13勝44敗(勝率22.8%)とプレーイン・トーナメント進出が厳しい状況にある。今季限りで契約満了となるハリスとロペスは、プレーオフチームで王座獲得を目指したいという意思が強いのであれば、バイアウト候補となる。

 27歳のハリスは昨季まで3シーズン連続で3ポイント34%以下と精彩を欠いていたものの、今季は38.8%(平均1.9本成功)と復調。長距離砲とディフェンス力が売りの“3&D”として計算が立つ。
  33歳のロペスは今季も主にベンチから出場して平均8.2点、3.8リバウンド、1.7アシスト、フィールドゴール57.6%という堅実なスタッツを残している。

 もし両選手がFAとなれば、ハリスには古巣のデンバー・ナゲッツやウィング補強を目論むレイカーズ、ロペスにはアンドレ・ドラモンドを手放したフィラデルフィア・セブンティシクサーズが、ジョエル・エンビードのバックアップとして獲得に関心を寄せることが予想される。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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