最高の一瞬『ようやく撮れた!_ウサイン・ボルト(陸上競技)」

私が陸上を撮影するようになったのは、高校時代に写真部で活動していたころ、陸上部のクラスメートから大会の写真撮影を頼まれたのがきっかけです。第4コーナーから望遠レンズで狙った写真をプレゼントしたらとても喜んでくれて、大会の度に声がかかり度々撮影に行くようになりました。

2008年北京オリンピックの100m、200mで金メダルを獲得し、一気に世界トップとなったウサイン・ボルトを見て、この世界最速の男を撮りたいと思いました。

2011年に韓国で行われた世界選手権で、ボルトを撮影するチャンスがありました。ところが100m決勝はまさかのフライングで、失格となってしまいます。

200m決勝は、再びゴールエリアで待ちました。場所取りができなかったので、レースの3時間前からポジションについていました。レースはボルトが1位でゴール。その瞬間、彼はほっとした表情で走り抜けてきました。

ボルトが望遠レンズのファインダーに収まらなくなり、短いレンズが付いたカメラに持ち替えたところで彼が喜びを爆発させ、その瞬間を記録することができました。

その後、2015年の世界陸上北京大会でも、100m、200m、4×100mリレーで金メダルを獲得するボルトを記録することができました。

▼高橋 学(たかはし・まなぶ)

1975年、福島県福島市生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より(有)ジャパンスポーツで実績を重ねてフリーランスに。現在はサッカー、フットサル、陸上、フィギュアスケートなど様々なスポーツを取材している。

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