最高の一瞬『タックル_米満達弘(レスリング)』
米満達弘選手が、ロンドン五輪のフリースタイル66kg級で金メダルを取ったときの写真です。6大会24年ぶりとなる金メダル獲得に沸いたのですが、決勝では圧巻の両足持ち上げタックルを決めて、そのシーンを抑えることができました。
撮影中は私の近くに日本のスタッフの方が大勢いて、すごい声援でものすごく興奮していました。このタックルのときも、米満選手が相手選手を抱えた瞬間、みんなのテンションが一気に上がり、私も「わーっ」と叫びながら撮っています。
ピントも合っていて、撮ったあとも私自身大興奮でした。今までレスリング撮っていた中で、ベストなのではないかと。というのも、こういう決定的な瞬間を撮るのがものすごく難しいんです。選手たちの動きが素早いですから。
加えてレスリングはマットの上を審判の方が動くので、ベストのタイミングでもその審判がかぶってしまうケースもよくあるんですよね。だからきれいに撮れるには運もあります。
米満選手が相手選手を持ち上げたとき、顔が映らなくてダメかなと思ったんですが、そこから倒したときにはこちらに顔が向いた。よく撮れたなあと、今でも思います。
▼佐野美樹(さの・みき)
1977年、東京都生まれ。写真家いしだまことに師事後、スポーツフォトグラファー梁川剛のアシスタントを経てフリーに。サッカーやレスリングを中心としたスポーツだけでなく、人物ポートレートや料理など、広告やエディトリアルにて幅広い分野で活動している。仕事柄、国内外問わず出かけることが多いため、密かに旅の写真を撮りためている。
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