最高の一瞬『運を持っている_桐生祥秀(陸上競技)』

前回はウサイン・ボルト選手を紹介しましたが、今回は日本人の男子100mの第一人者、桐生祥秀選手の写真です。

2014年世界ジュニア陸上選手権の時のものです。アメリカのユージーンという場所で行われましたが、ここはアメリカの陸上競技の聖地とも言われるところ。小さな競技場ですが、選手と観客の距離が近くて雰囲気がよく、この時は背景の空がとてもきれいだったのを覚えています。

桐生選手は、前年の高校3年時に、織田記念陸上大会で10秒01の当時日本歴代2位の記録を出し、マスコミから注目されるようになりました。

そしてこの大会では日本の男子チームの主将として臨み、100mで日本人初の銅メダル、4×100mリレーで銀メダルの活躍を見せます。ジュニア時代の世界経験は、どのスポーツにおいても大切。この大会で、世界で勝つイメージも湧いてきたのではと思います。レース後、無邪気に楽しそうに走る姿に、明るい未来を感じました。

ジュニアの大会ではありますが、ここでの結果が2016年リオデジャネイロオリンピックの4×100mリレー銀メダルや、2017年に出した日本人初の9秒台(9秒98)につながったのだと思います。

国内の注目大会でライバルに敗れたり、ケガをしたりと、浮き沈みはあるものの、いいタイミングで結果を出す選手という印象です。9秒台を出した日は、9月9日でした。何か運を持っている選手なのかなと。

来年の東京オリンピックでの活躍を期待しています。

▼中村博之(ナカムラ・ヒロユキ)

1977年7月10日生まれ、福岡県出身。17歳の時に近所の本屋で手に取った、サッカー三浦知良選手の写真集『KING KAZU』を見てスポーツフォトグラファーを志す。1999年2月にスポーツフォトエージェンシーの『フォート・キシモト』に入社し、2011年3月からフリーランスとして活動。

初めてのオリンピック取材は2000年シドニー夏季大会で、その後夏冬合わせて8大会を取材。また、世界陸上選手権大会や世界水泳選手権大会などの取材を続けており、世界水泳選手権では、2015年カザン大会からFINA(国際水泳連盟)のオフィシャルフォトグラーを務めている。

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