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ハリウッド化粧品。創業約100年の老舗メーカーが、なぜフェンシングを支援するのか?

<写真提供:ハリウッド株式会社>

ハリウッド化粧品は、1925年に創設された老舗の化粧品メーカーです。ハリウッドで最新技術を取得した牛山清人氏と、夫人であるメイ牛山氏の2人が同年に美容室を開店。以降、日本におけるビューティーシーンのパイオニアとして、美容業界の発展に貢献してきました。

同社は、2018年10月1日から日本フェンシング協会とスポンサー契約を結んでいます。老舗の化粧品メーカーが、なぜフェンシングへのスポンサードを決めたのでしょうか?代表取締役社長の牛山大輔(うしやま・だいすけ)氏に、支援の経緯やメリットを聞きました。

(取材・構成:島田佳代子)


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フェンシング支援のきっかけは「サイズ感」

私は、明治時代からスポーツを通じた国際交流を行っているような家に育ちました。私自身もスポーツが好きで、小さなころから色々なスポーツをやってきました。

「スポンサーをしよう」と思ったきっかけは、東京オリンピックの開催です。オリンピックが開催されれば、東京は盛り上がります。しかし、実際に見に行くことができない人は大勢います。

私たちのお取引先様は、北海道から沖縄まで全国にあります。「どうしたら日本全国の人たちを巻き込んで、盛り上がることができるだろうか」と考えたときに、スポンサーシップが思いつきました。

フェンシングは騎士道であり、日本の武士道と通じるものがあります。女性選手も多く活躍していますよね。弊社は創業者自身が働く女性の先駆者だったこともあり、女性の活躍支援を行なっています。いろいろと考えた中で、弊社のイメージに合うと思ったのがフェンシングでした。

オリンピックでも第1回アテネ大会から正式種目になるなど、フェンシングには長い歴史があります。1964年の東京パラリンピックでも、最初に決まった種目は車いすフェンシングだったそうです。

しかし、フェンシングは歴史はあるもののメジャースポーツとは言えません。同様に、弊社も歴史はありますが中小企業です。「一緒に大きくなれたらいいね」というサイズ感が良かったんですね。ちょうど過渡期でもあり、経営の方向性も良かったです。

これは後で気がついたのですが、40年ほど前に発売した男性用化粧品のポスターにフェンシングの剣の一部が映っていました。昔も、会社のイメージにフェンシングが合うと考えていたんですね。

フェンシングの広告効果は抜群

スポーツ協賛をして良かったと思うのは、感動体験をより身近に感じられることです。

スポーツは「やる楽しさ」もあるけれど、娯楽として「観る」のも重要です。スポーツができる人もできない人も一緒に感動し、勇気をもらうことができます。それぞれの試合でドラマがあり、クリーンに感動できるものがスポーツにはあります。

メジャーなスポーツだったら、社員にも好き嫌いがあったかもしれません。でも、フェンシングは誰にとっても新しいスポーツ。応援することで新しい自分を発見したり、一歩踏み出すきっかけになったかなと。もちろんファンとして観ていても体験はできますが、スポンサーになることでより身近でパワフルな体験になったと感じます。

本社には、フェンシングの剣を飾っています。お取引先の方が来た時に持ってもらうと、「触っていいんですか?」と喜んで頂けます。皆さん同じように剣を構えて写真を撮っては、SNSにも載せてくれます。身近によくあるスポーツの道具だったら、そんな風にはならないですよね。

全国のお客様やお取扱店の皆様にも、「オリンピックに出る選手が、同じ化粧品を使ってるんだって!」と話題にしていただけています。それほど身近ではないけれど、カッコいいイメージがあるフェンシングだからこそだと思うんですね。

フェンシングへの支援を通じて、全国のお客様、お取引先の皆様とワクワク感を共有できていると感じています。スポンサードは会社的には広報活動ですが、広告効果は抜群でした。フェンシングが誰にとっても新しいスポーツだったことは、結果としてメリットでした。

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