「自分を見失わないように」 “オーガスタ”に挑む六車日那乃がおっとり口調で示すブレない信念 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
六車日那乃はイメージを大事に準備期間を過ごしてきた(撮影:福田文平)
千葉県の麗澤高在学時に、日本ゴルフ協会(JGA)が選出するナショナルチームメンバー(日本代表)として活躍するなど、トップアマとして実績を積んできた六車日那乃は、今年1月にオーガスタから届いた招待状を手にしてから、「あっという間」の2カ月間を過ごしてきた。そして間もなく「オーガスタナショナル女子アマ」(3月30日〜4月2日)に挑む。
「ワクワクしてたり、不安も大きいんですけど、楽しみという気持ちが一番大きいです」。本番まで残り2週間を切った3月中旬、19歳は笑顔を浮かべながら、おっとりとした口調で心境を話した。日の丸を背負ってきたこともあり、海外での試合経験も他のアマチュア選手に比べると豊富。それでも「マスターズ」の会場でもあるオーガスタ・ナショナルGCで試合をするチャンスが訪れ、「“うわぁ”って感じでした(笑)。一生のうちに行けるかどうか分からない場所。うれしいし、よかったなって思いますね」と感慨は深い。
出場が決まってからは、知人からもらったDVDで研究を重ねた。それは昨年のマスターズで松山英樹が4日間プレーした映像。「選手目線でコースを見ることができました。意外とアップダウンがあるんだな〜とか、どういうショットが必要かなどを勉強して、それを練習しています」。そのDVDの最後は、もちろん初めての日本人マスターズ王者が誕生するというものだ。最高の瞬間もバッチリと追体験してきた。
では、それを分析することで何を感じたのか? 例えば、これまで1本のウェッジに頼りがちだったアプローチだが、バリエーションを増やす重要性を感じた。ただそういう細かいプレーももちろんだが、何よりも“イメージ”を大事にここまで準備を進めてきた。「私が練習する場所は平らな場所が多いけど、ここは(打球に)高さを出してみようとか、そういうことを考えながら練習しています」。つまり頭のなかで、今いる場所を鮮やかにアザレアが咲く本番のコースだと想像しプレーする、というわけだ。
昨年10月から、上田桃子や吉田優利らが師事するプロコーチの辻村明志氏に指導を受けている。招待状が届いた時は、もちろんコーチも大喜びだったという。『結果は気にせずに、今やってきたことを存分に出すこと』、『最高な準備をして臨もう』というアドバイスも授けられた。それは例え難しいコース、困難な状況、そして体格で劣る海外選手を前にしても、「絶対に自分を見失わないように」するための準備をさす。
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