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【サッカー】幸野志有人 SHOOT KOHNO Vol.2「専門知識ゼロから始めたアパレルブランド」


現役サッカー選手でありながら、アパレルブランド、ラジオMCなどビジネス面でも多彩な才能を発揮する。
幸野志有人はサッカー選手を続けるために、サッカー以外でも稼ぐという新たなロールモデルを作ろうとしている。
「SmartSportsNews」の独占インタビューを3回に分けてお届けする。

僕に何もなかったら相手も仕事をしてくれない

——「CLUB SARCASM(クラブ・サーカズム)」を始めたのはいつ頃からですか?

去年から洋服作りは始めていて、今年からブランドとしてスタートしました。

——洋服に関しては学校に行って勉強したわけではないんですよね?

もともと服がめちゃくちゃ好きだったので、生地屋とかに行って見たり触ったりして、知識と呼べるかはわからないんですけど、オタク的な感じで好きだからそういうことも知っていたというだけですね。そうやって自分でアクションを起こしたらそこに反応して手伝ってくれる人が増えたという感じですね。

——デザインも自分でやっているんですか?

自分でやっています。デザイン以外のこともほとんど自分でやっていますが、セールスとか、プレスとかを担当してくれる方は他にいて、今ポップアップストアとかを全国でやってくれています。この前も広島でポップアップをやらせてもらいましたけど、それもそのスタッフの方が持ってきてくれたものですね。その広島のお店はすごく有名なところで、それは自分だけでやっていたら絶対に無理だったのでありがたいですよね。先方のお店の方とも話して、それってサッカー選手だけをやっていたら絶対に出会えない人たちなんですよ。そういう全く畑の違う人たちと深いところで仕事としてやれるというのはありがたいなと思います。

——サッカー選手ではなく、ブランドの人間として関わっているわけですね。

そこで本当に大事だなと思ったのが、例えばそういう人たちと出会ってご飯とかいきますよね。そのときに僕に何もなかったら相手も仕事をしてくれないと思うんです。営業するときも商品について話すより、まずは自分について話したほうがいいと思っています。

——まずは自分自身に魅力がないといけないと。

そこで自分について話していく中でなぜそれを始めたのか、きっかけは何なのか。洋服というツールを使ってなにを表現したいのか、そういう“なぜ”というものがなくて、ただ何となくやっているだけではその後の話は何も聞いてもらえないと思うんですよ。そこに関しては自分ではしっかりとあると思っているので、そこに共感してくれた人が今手伝ってくれているし、相手をしてくれるお店もあると思うんですよ。そういう意味でもいろんな経験をしてきて良かったと思います。

サッカー選手はツールをたくさん持っている

——営業をするときはサッカー選手としての強みみたいなものを利用することはあるんですか?

こっちが提供できるメリットとして、例えばですけど、仮にポップアップストアや卸先として取引していただいてるお店が全国各地にあるとすれば、その土地のサッカー選手にお店に遊びに行ってもらって宣伝してもらう、とかは現実的にできるのかなと思います。今までたくさん移籍してきたお陰で各地に友人のサッカー選手たちがいるので。やっぱり選手として使えるものは使ったほうがいいですよね。ただ、それも今まで築いた関係性によってその選手たちは来てくれるわけじゃないですか。だからそれはすごくありがたいと思っています。

——それは確かにサッカー選手だからできる強みですね。

サッカー選手だから持っているツールは他にもいっぱいあると思いますね。ただ、そういうことだけじゃなくて、いろんな人と繋がっていて本当によかったなと思います。損得を考えて人と接するつもりは全くありませんが、現に僕は今まで出会った人たちに本当に助けてもらっています。結局、何がそういうところで繋がるかわからないから本当の意味で僕自身をどう気に入ってくれているかってすごく大事なわけですよ。そう考えたらサッカーだけしていては駄目だなと強く思います。繋がるのはサッカーの人だけではないので。だからちゃんと勉強して知識もあって、人とのコミュニケーションもしっかりして大切にできること。そういう人だったら応援してくれると思うんです

——そういう人間性はサッカー選手としての価値や魅力にもなりますね。

サッカー選手って僕の肌感ではサッカーファン以外の人は本田圭佑選手とか、長友佑都選手とか、ああいうクラスの選手しか知らないと思うんですよ。そう考えたらほとんどの選手は一歩外に出たら、サッカー選手としての知名度を使ってなにかビジネスをするっていうのは難しいと思うんですね。ただそれは外に出ないとわからない部分もあるし、それが感じられない狭い世界で生きている自分たちって、じつはすごく危険だなと思うことはあります。どうしてもコミュニティが狭いからご飯に行くのも同じような人たちで、いつも同じような会話をずっとしているという感じですよね。

——狭いコミュニティから世界を広げるように何かしていることはありました?

例えば地方のJリーガーがスポンサー企業の人たちにご飯連れてってくださいよって言ったら絶対に連れてってくれるじゃないですか。そこで自分が全然知らないワードが出てきたらまずいなと思うわけで、そこでこういうことも知っておかなければいけないんだなって気づきがあると思うんです。それって簡単にできることですよね。そういうことはもっと若い頃にやっておけばよかったなと思います。

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