6人出場の米ツアー組は“明暗” V争いの岩井千怜は副賞の名車もモチベーション「かっこいい…乗りたい!」

見事なバンカーショットなど、難セッティングもその技で乗り切った。(撮影:佐々木啓)

<スタンレーレディスホンダ 2日目◇11日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>

大会の冠スポンサーにもなっているホンダに所属する、ホステスプロの岩井千怜は、雨中のラウンドを終えると、グッタリした表情で「耐えました」と振り返った。

ボギーはないが、バーディも2つ。攻撃的なプレーで知られる岩井のスコアとしては物足りなさも感じるが、必死のプレーを続けていた。「ピンポジ(ピンポジション)が難しかった。5メートル以上のパットは入る気がしない。気持ちは攻めていたんですけど」。もちろん本人も「楽に回りたかった」というのが本音だ。

そのなかで首位と1打差のトータル9アンダー・2位タイに踏みとどまったことは価値がある。終盤の16番では「バンカーショットは自信がある。なるべく高さを出して、ピンをオーバーしてもいい」と話した見事な一打を1メートルまで寄せてパーをセーブ。「なかなかキレイな上りというのがなかった」というピンを相手に、その技で魅せた。

この大会には過去5度出場しているが、これまでの最高順位はホンダと契約を結んだ2022年の28位タイ。昨年も54位と苦戦してきた。「盛り上げたいし、優勝したい気持ちは強い」のも当然だが、「気持ちとゴルフがマッチせず、うまくいかなかった」と話す。ようやく、欲しかったタイトルを手にするチャンスが訪れた。

クラブハウス前には、ホンダが提供する優勝副賞の真っ赤な「プレリュード」が展示されている。「めっちゃかっこいい。欲しいですよね。乗りたい!」。その獲得へ、アクセルを踏み込んでいくつもりだ。

今大会には6人の米ツアー組が出場。古江彩佳もトータル8アンダーの5位タイと、好位置につけている。岩井姉妹の姉・明愛もトータル2アンダー・40位タイで予選は通過した。一方で、渋野日向子と原英莉花はトータルイーブンパーで決勝進出を逃した。また2日目に「80」を叩くなど苦しんだ笹生優花も、トータル11オーバー・104位タイで予選落ち。明暗が分かれることになった。