目指すは海外組との“対決”「ゴルフファンとして…」 河本結は“ぶっつけ本番”で首位発進

体調不良にも負けず河本結が今季2勝目へ首位で滑り出した。(撮影:佐々木啓)

<スタンレーレディスホンダ 初日◇10日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>

今季好調の河本結が前半で4連続バーディを奪うなど、「65」のビッグスコアで、7アンダーの首位タイについた。今大会には同い年の渋野日向子、原英莉花、さらにはメジャーチャンピオンの古江彩佳、笹生優花、ホステスプロの岩井明愛、千怜と米国で戦う選手たちが参戦。「ゴルフファンとしてどんなプレーをするのか、一緒に回って見てみたい」。河本にとってはこれが大きなモチベーションだった。

今大会の河本は実はぶっつけ本番だ。練習ラウンドはしておらず、コースチェックも兼ねるはずだった前日のプロアマは「扁桃腺が腫れて熱が出たので」とキャンセルした。37度以下とはいえ、この日も微熱が残る中でのスタートだっただけに、スタートの時点では「いいも悪いも何も考えていなかった」という。

それでも、上位でプレーして海外組と回りたいという気持ちが後押しする。3番パー5の3打目を30センチにつけて初バーディを奪うと、4番は4メートルを沈めて連続バーディ。5番パー4は再び30センチにピタリとつけ、さらに6番パー3は7メートルの大きく切れるフックラインを放り込んだ。4連続バーディで一気にスコアを伸ばす。

好スコアの要因は「ショットもパットも距離感が合っていたこと」。とはいえ、アップダウンのあるコースでショットの距離感を合わせるのは簡単ではないはずだ。その秘訣を尋ねると「それ聞いちゃいます」とニヤリ。続けて「私は球を曲げて距離を合わせるのが好きなので、傾斜がある方がやりやすいんですよ。左足下がりでカットを打つとか、つま先上がりでフックを打って飛ばすとか」と明かした。逆球が出る不安がないことが思い切りのいい選択につながっている。

首位タイに5人が並ぶ展開で、その中には海外組の一人、岩井千怜もいたが、狙い通りの同組とはならず、2日目は最終組で神谷そら、野澤真央とのラウンドとなった。そんなあすに向けては「雨が降る予報できょうより飛ばないと思うので、長い番手を持たされた時に、いいバーディチャンスをどれだけ作れるのかがカギになるのかなと思います」。このまま上位でプレーしていれば、最終日に実力者揃いの海外組との同組が実現する可能性は高まる。さらにその先には今季2勝目も見えてくるはずだ。(文・田中宏治)