はじめまして。
NPO法人日本卓球療法協会理事長の長渕晃二と申します。
私は長年、介護・福祉やまちづくりに携わってきましたが、そのいずれにも卓球が活きることはたくさんありました。
そこで本連載「スポーツを活かした民間資格づくり」では、わたしのこれまでの経験などを交えながら、スポーツを活かして民間資格をつくることについて全5回にわたって探っていきます。
第5回では、「子どもに卓球を広める必要性」というテーマでお話しさせていただきます。
＞＞シニア世代からの卓球入門 第1回：卓球のおもしろさと連載のねらい
雪だるま式の広がりを計画する
意外な活動や進路
入会により、会員対象のSNSで自らの事業を会員にPRされる方や、自らの事業をメディアを通じてPRされる方が多く出てきました。
デザインや制作が得意なかたも入会されたので、いろいろなグッズや用具が広がりました。
Tシャツ、ユニフォーム、名刺、シール、ストラップ、のぼり旗、ラケット、卓球台などです。
福祉関係に転職される方々も少なからずいます。
資格取得をきっかけに福祉に興味がわき、新たな職場で卓球療法に関わる人も出てきました。
また、卓球指導者が福祉施設等に営業しに行き、卓球療法講師となる場合や、レク講師派遣会社に登録して講師依頼を受ける場合が出てきました。
取材や会員による広報
広報については何度かふれてきましが、まさに雪だるま式に多様な活動が広がってきています。
大会でＰＲされる方、お店にポスターを掲示される方、医療機関に出向いて職員に体験してもらう方のように、地道でアナログな宣伝をしてくださる会員もいます。
ＳＮＳで資格のことについてふれたり、ＳＮＳで記事のシェアをされる方も。
あるFM番組のスポンサー企業社員の会員がいたため、放送された番組がその企業の全店舗で数日間も流れたということありました。
学生時代に少々卓球療法に関わりがあった卒業生がテレビ局に入社し、入会はしていなくてもニュースで取り上げていただいたこともあります。
団体・企業とのコラボ
スポーツ系の団体・企業、医療・福祉・教育系の団体（学会含む）や企業、会員が経営の企業・商店など、多様な団体との連携により活動を広げていける可能性があります。
たとえばＴリーグのチームのスポンサーはどこか、企業グループの傘下に医療・福祉・教育系企業はあるかなど、つながりにも着目すると良いでしょう。
また、健康経営に力を入れている企業、健康増進施設を持つ医療機関、健康サポート薬局、そして、社会貢献や障害者雇用に力を入れている企業がどこにあるか調べておくと良いでしょう。
なお、被災地支援の活動を行うと、協力をしていただける個人・企業が現れることもあります。
海外への展開
すでに教材の国際化についてふれましたが、海外にも広めるためには、各国の組織を作り、ゆくゆくは国際協会も作ると良いでしょう。
国によって、ニーズや制度、実践は大きく異なるので、その国に応じた内容を、現地に関わる方々と考える必要があります。
国際商標登録やお金のやりとりなどの課題も出てくるかもしれません。
オンラインや自動翻訳ほか、海外展開しやすくなる状況の中で、常に海外に関わる人との人脈を念頭に活動を展開していくと良いでしょう。
筆者プロフィール：長渕晃二（ながぶちこうじ）
ＮＰＯ法人日本卓球療法協会理事長。NPO法人日本ピンポンパーキンソン理事。明治学院大学大学院修了（社会福祉学修士）。短大・専門学校での教員・卓球顧問や福祉施設での卓球経験あり。現在有料老人ホーム、デイサービス、介護予防サロン、メンタルクリニックで卓球療法を行う。著書は『コミュニティワーカー実践物語』(筒井書房)、『卓球療法士テキスト』『卓球療法入門』(サイドウェイズ)ほか。
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