高弾道で超やさしい! 『ATTAS RX ULTRA BLACK』は今までにない“進化型の元調子

USTマミヤの新モデル『ATTAS RX ULTRA BLACK』を「GEARS」で解析すると、今までの元調子シャフトにはない「やさしさ」が備わっていることが分かった

アマチュアの悩みを解決する「ATTAS RX」に革新的な元調子シャフトが追加

USTマミヤは2025年モデルの新シャフトとして『ATTAS RX ULTRA BLACK』を10月9日から発売していく。

「ATTAS RX」はスライスやチーピンなど、アマチュアゴルファーの悩みを解決する“処方箋”を目指して開発されているシリーズだ。最新の『ATTAS RX ULTRA BLACK』は元調子系のシャフトになっていて、引っかけなど、左に曲がるミスに悩むゴルファーに適したモデルとなっている。

一般的に元調子と言うと、ハードヒッターの上級者が好む難しいシャフトというイメージが強い。しかし、『ATTAS RX ULTRA BLACK』は部分ごとの剛性差を減らす「Tri-Syncテクノロジー」によって、シャフトの挙動を安定させ、再現性の高いインパクトを実現。さらにバランスポイントを手元寄りに調整することで、元調子シャフトにありがちな振り遅れを防ぎ、高弾道ボールが打ちやすくなっているという。

独創的な設計と最新テクノロジーによって“ウルトラやさしい”元調子に仕上がったという『ATTAS RX ULTRA BLACK』だが、従来の元調子シャフトとどんな違いがあるのだろう。今回は4plus Fitting Labo & Golf Salonでフィッティングを行う吉川仁氏に試打を依頼。『トラックマン』を使った弾道計測に加えて、ゴルフスイング解析システム『GEARS(ギアーズ)』を駆使して、シャフトの細かな挙動を解析してもらった。

やさしくタメができてスクエアなインパクトが作れる

まずは『ATTAS RX ULTRA BLACK』の解析を行った吉川。

「切り返しとインパクトの挙動に特徴がありますね。『ATTAS RX ULTRA BLACK』は元調子らしい手元の軟らかさがあって、切り返しで強いタメが自然にできます。『GEARS』で見ると、トップでシャフト1本ほどクラブが下がっていました。驚きだったのはこのタイミングでフェース面が全くネジレていないことです。強いタメでエネルギーを溜めながら、再現性の高いインパクトを作る準備ができています」

元調子シャフトは、手元部分の剛性を抑えることで、切り返しでヘッドが遅れてタメができる。『ATTAS RX ULTRA BLACK』はとりわけ手元が軟らかくなっているので、より強いタメが作りやすいようだ。

ここまでは従来の元調子シャフトにも見られる傾向だが、違いが出たのはダウン中期からインパクトにかけての挙動だ。

「強烈なタメから、ダウンのしなりでしっかりヘッドが戻るので振り遅れが出ません。これが従来の元調子シャフトとの大きな違いです。『GEARS』で見てもヘッドの戻り具合が明らかに大きいですし、その分、インパクトでロフトが寝て当たるので、しっかり高さも出てくれます。スピードアップ効果もあり、ボール初速が上がるので、飛距離アップも期待できますよ」

続いて、同じUSTマミヤの元調子シャフト『LIN-Q WHITE EX』の『GEARS』計測を実施した。切り返しでタメが作りやすい点は共通していたが、やはり違いが出たのはインパクト前の挙動だった。

「改めて同じ“5S”を振り比べてみると、『LIN-Q WHITE EX』の方が明らかに全体の剛性が硬くてハードに感じますね。『ATTAS RX ULTRA BLACK』は全体がしなやかに動く印象だったので、同じ元調子でも振り心地は大きく違います。『GEARS』のデータを見ても、『LIN-Q WHITE EX』は切り返しのタメこそできますが、ダウンでヘッドが遅れる感覚が強く、インパクトではハンドファーストに押し込むようなフィーリングになります。もちろん、パワーがあればスピンを抑えた強いボールが打ちやすい挙動なのですが、ミスをするとボールがつかまり切らずに右に逃げてしまうので、扱いの難しさがありますね。左のミスを消しながら、やさしく真っすぐ高弾道なボールを打てるのは『ATTAS RX ULTRA BLACK』です」

『ATTAS RX ULTRA BLACK』は高弾道ストレートでぶっ飛ぶ

2つの元調子シャフトの振り心地の差はそのまま弾道の違いにつながっている。『トラックマン』を使用して弾道計測を行うと、高くネジレのない弾道で飛距離が出ていたのは『ATTAS RX ULTRA BLACK』だった。

「中間から先端にかけての剛性の強さで、しっかりボール初速を出しながら、低めの打ち出しの強弾道ボールが打ちやすくなっています。ダウンでヘッドが遅れて下りてくる特性が弾道の強さにつながっています。叩くほどに飛ばせる特性と言えますが、打ちこなすにはパワーと技術が必要になります」

「タイミングが取りやすいですし、同じようにスイングしてもヘッドスピードが速くなります。安定してフェースがスクエアに戻るので左右にネジレないので、やさしく高いボールでキャリーが出てくれます。パワーや技術に関係なく結果が出るのは間違いなく『ATTAS RX ULTRA BLACK』ですね。ミスヒットにも強いので、平均飛距離が大幅に伸びてくれるはずです」

今回はスペックを「5S」に揃え、ヘッドも同じキャロウェイ『ELYTE ドライバー』を使用している。それでこれだけの違いが出たのは、シャフトの性能差によるところが大きいだろう。

「従来の元調子は中間から先端にかけて硬く作られ、ヘッドが戻り切らずに振り遅れやすい傾向がありました。これが“元調子=難しい”という印象につながっていたのです。そんな中で『ATTAS RX ULTRA BLACK』は、トップで強烈なタメができてから、スムーズなしなりでヘッドが戻ってきます。しかも、フェース向きのネジレも少なく抑えられるので、真っすぐな球が打ちやすいですし、しなり戻りの分、インパクトロフトが大きくなってボールを高く打ち出すこともできます。今までになかったタイプの元調子シャフトであることは間違いありません」

ちなみに『ATTAS RX ULTRA BLACK』のスペック違いも試打してみると、やさしく打てる性能はそのままに弾道に微妙な違いが出ていた。

「『4S』はヘッドスピード40m/s以下の人でも扱いやすく、しなり戻りのスピードがより速くなります。その分、ロフトが寝て高い弾道が打ちやすくなりますので、ボールが上がらないことに悩むゴルファーにピッタリです。一方、スペックを『6S』に上げると、シャフト全体の重量感が増し、弾道が 『5S』よりも強くなります。元調子らしい叩きやすさが強調されて、ヘッドスピードが速いゴルファーが安定して飛距離を伸ばすことができます」

リリースの早いゴルファーに今までになかった選択肢を提供できる

“やさしい元調子”という今までにないコンセプトで開発された『ATTAS RX ULTRA BLACK』。試打を終えた吉川は、フィッティングを行う上で強力な選択肢ができたと笑顔で話す。

「フィッティングをしていると、切り返しで手元が体から遠ざかるように動き、コックがほどけてアーリーリリースになるゴルファーは多いです。いわゆる手打ちやあおり打ちの動きですね。元調子シャフトを使うことで、切り返しでタメを作る動きがしやすくなりますが、従来の中間から先端が硬いタイプだと、右のミスが出やすいことがネックでした。しかし、『ATTAS RX ULTRA BLACK』なら、スイング軌道を適正に近付けながら、スクエアなインパクトが作りやすくなります。『ATTAS RX ULTRA BLACK』が選択肢に入ったことで救われるゴルファーは多いはずですよ」

タイミングが取りやすく、ボールが上がって、方向性もいい。さらに、スピードアップ効果で、飛距離アップにも期待できるなど、“ウルトラやさしい”元調子シャフトは多くゴルファーにとって、ドライバーの悩みを解決してくれる新しいシャフトの選択肢になりそうだ。

取材協力/4plus Fitting Labo & Golf Salon 撮影/高橋淳司 構成/田辺直喜