サンダーは46年ぶり、ペイサーズは初の優勝をかけて【NBA FINALS 見どころ】

写真左:タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)/提供:AP/アフロ:写真右:シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)提供:AP/アフロ

NBAは、今年の2024-25シーズンで79回目を数える。来年で80回目のシーズンとなる世界最高峰のバスケットボールリーグは、今年のPLAYOFFSを見ていると、来年以降トレンドが変わりそうな気がしてならない。
日本時間で明日6/6(金)から始まるオクラホマシティ・サンダーとインディアナ・ペイサーズによるNBA FINALSは、そんな新時代の到来を予感させるような組み合わせだ。

本記事では、初心者の方にもわかりやすいようにNBAのトレンドを踏まえつつ、今回のFINALSの勝利予想をしていく。さぁ、いよいよ最終決戦だ!

NBAのトレンドとは

ファッションや音楽で流行りがあるように、バスケットボールにもその時代ごとにトレンドはある。

わかりやすい話で言うと、ステフェン・カリーという現役のスーパースターに例えよう。彼はとにかくスリーポイントを入れる。そしてスリーポイントを打つ回数も多い。どんなにバランスを崩しても決めてしまうため、他チームはカリーが「不調」に陥るのを待つことしかできなかった。

バスケットは基本的に2点か3点でしか得点がとれないため、カリーが凄まじい確率でスリーポイントを決めてしまうと、どんなに派手なダンクをしても、一生懸命走って簡単なレイアップを決めても結局2点であるため、同じだけ3点を決められては差が開くばかりだ。
それを見て「俺たちもスリーポイント練習して、たくさん決めればカリーにも勝てる!」といった具合で始まった「スリーポイント」というトレンドが、ここ15年前くらいまでの話である。ちなみにこの時は、「スタメン全員2mいかない超スモールラインナップだけど全員スリーポイントが打てる」ようなメンバー構成も流行っていた。

余談だが、その前はシャック&コービーのような「ガードとセンターのコンビ」が流行っていたし、その前はそもそもスリーポイントもなかったため身長の大きいジャバーやオラジュワンのような「インサイドプレー」が主流であった。そのようにNBAのトレンドは時代ごとに変わっているのだ。

サンダーとペイサーズによる変革

カリーが築き上げたスリーポイント多投時代に終わりを告げようとしているのが、今年のファイナルに進出したこの2チームである。
両チーム共通した特徴でもあるが、とにかく展開が早い。スラムダンクの豊玉高校のように、速攻で仕掛けるのが両チームともに得意である。この「展開の早いスタイル」が、おそらくこれからのトレンドになるだろうと予想されているのだ。

このバスケットスタイルは、現・宇都宮ブレックスの田臥勇太がNBA入りした2004年頃のフェニックス・サンズに似ている。サンズは当時「7 second or less(7秒以内にオフェンスを終える)」という、とにかく早いスタイルを強調していたが、この2チームもまさしく「7秒以内のオフェンス」の域だ。

この考え方は、「スリーポイントを多く決めて得点を伸ばす」のではなく、「相手よりも多くオフェンスの回数を増やすことで得点を伸ばす」というもの。わかりやすく「とにかく走る」ため、小細工なしのシンプルなバスケットスタイルだから、特に今年のFINALSは、初心者が見るにはうってつけである。

このような走るバスケットをする上では、ある程度身長があって「ダンクができる選手」が重宝される。ダンクシュートはレイアップよりもシュートの成功率が高く、速攻の時に得点が決まりやすいからだ。NBAの平均身長はちょうど2mほどだが、それくらいの身長の選手は、いわゆる何でも屋・オールラウンダーが多い。最近はこのようなオールラウンダーが走ってダンクをし、外からも決めて、リバウンドを取る、といった全員バスケットスタイルがトレンドで、恐らくペイサーズとサンダーは、このスタイルのパイオニアとして、歴史に名を残すはず。

さて、ここからはFINALSの勝敗予想に移っていこう。

▼両チームの歴史

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