
3人制と5人制、まるで別競技!? バスケの常識が覆る「3x3」の世界【新人編集部員と学ぶ3x3 前編】
写真:3x3.EXE PREMIERの試合会場/提供:3x3.EXE PREMIER
「今日から3x3(スリーエックススリー)の記事担当ね」
先週、上司から何気なく言われた一言で、私の編集者生活は大きく変わりました。
ひたすら卓球の記事を担当し、ようやく慣れてきたと思ったタイミングでの担当替え。
私、バスケットボールの知識はゼロです。3x3(スリーエックススリー)は、読み方を知るところからでした。
「聞こう、専門家に」。
何でもAIに尋ねる時代ですが、でも実際に現場で働く専門家に聞いてみるのが、私のような素人にとっては一番実感を持てるはず。
日本で唯一、FIBA(国際バスケット連盟)の承認を受けている3人制バスケのプロリーグ「3x3.EXE PREMIER(スリーエックススリー エグゼ プレミア)」の、リーグ広報である小林亘さんと、事務局の山田めぐみさんに話を聞いてみました。
「3人制のバスケ、イメージはつくけどよく知らない」「普通のバスケとルールは違うの?」
素人の私にプロリーグの方からわかりやすく教えていただいた内容を、前後編でご紹介します。
③人制バスケ「3x3(スリーエックススリー)」は“5人制の半分”
── 本日はよろしくお願いいたします。まずは3x3(スリーエックススリー)の基本的なルールからお伺いしてもよろしいでしょうか?


写真:試合会場の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
小林:3x3のルールや競技環境は簡単に言えば「5人制の半分」ですね。
プレーコートも半分で、ショットクロック(攻撃側が一定の時間内にシュートを打たなければならないルール)も5人制の半分の12秒。プレーヤーの人数も3人なのでだいたい半分ですし。
── なるほど。試合時間に関してはいかがでしょうか?
小林:5人制は40分ですが、3x3は10分1本勝負です。また、3x3では「ノックアウト」というルールも存在します。
── どういうルールなんですか?
小林:21点先取したチームが勝利するというルールです。例えば5分程度でどちらかのチームが21点を先取してしまった場合、残り5分は試合を行わずに終了となるんです。


写真:試合の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
── え!? では、5分で21点入ったらその時点で終わりになるんでしょうか?
小林:はい。実際に、3x3.EXE PREMIERの試合でも、5分程度で終わる試合もたまにありますね。
「シュートが入った1秒後にまたシュートが入る」
── 5人制よりスピード感のある試合展開になりそうですね。
小林:そうですね。スピードで言えば、3x3が5人制と決定的に違う部分は、ゴールが決まったあとにボールをコートから出さなくていいことですね。
── ...というと?
小林:5人制だとシュートが決まったあとは、必ずボールをコートの外から「スローイン」という形で入れなければいけません。
ですが、3x3の場合はボールがゴールリングを通過した直後から「スローイン」の状態になっているという扱いになるんです。
ですので、ゴール直後のボールを拾って、それをアーク(5人制のスリーポイントライン)の外にいる味方にすぐにパスを出してツーポイント(5人制のスリーポイント)を決める、みたいな戦術もルール上は可能なんです。


写真:試合の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
── ゲームみたいなプレイもあり得るんですね。
小林:はい。ですので「シュートが入った1秒後にはまたシュートが入る」なんて現象が見られるのも、5人制と3x3の大きく違う部分ですね。
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