女子ゴルフのメジャー大会ってそもそも何? 渋野日向子や笹生優花ら優勝者もチェック【2024】
ゴルフで“メジャー”という言葉をよく耳にすると思いますが、どの大会を指すか知っていますか。ゴルフにおいてメジャー大会は特別な意味を持っており、渋野日向子や笹生優花などの日本人選手の活躍に、ゴルフファンをはじめ多くの人が熱狂したことでしょう。そこで本記事では女子の5大メジャーについてまとめました。2024年の各スケジュール、日本勢の成績と2024年6月3日時点での出場有資格者も紹介していきます。
1.ゴルフで「メジャー大会」とは最も権威ある大会のこと
ゴルフの「メジャー」や「メジャー大会」とは、「メジャー選手権(英語:major championships)」を指します。
特に男子メジャーの歴史は古く、1860年に開かれた全英オープン(The Open)が最古のメジャー大会です。一方、女子メジャーは、1946年に第1回大会が行われて以来、全米女子オープンが現存する最古の女子メジャーとなっています。
ゴルフのメジャー大会は、優勝すれば「ゴルフの歴史に名を残す」ことができる、特別な大会といえるでしょう。より高額な賞金が与えられる大会は他にもありますが、権威性と名誉においてはメジャー大会が圧倒的に高く、実際に人々の記憶にも強く残っているのではないでしょうか。
2.女子ゴルフの5大メジャー大会
女子ゴルフのメジャー大会は以下の5つで、「5大メジャー」と呼ばれることもあります。
【1】シェブロン選手権
開催:4月18~21日/会場:ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(固定)
【2】全米女子オープン
開催:5月30日~6月2日/会場:ランカスターカントリークラブ
【3】KPMG全米女子プロゴルフ選手権
開催:6月20~23日/会場:サハリーカントリークラブ
【4】アムンディ・エビアン選手権
開催:7月11~14日/会場:エビアンリゾートゴルフクラブ(固定)
【5】AIG女子オープン(全英女子オープン)
開催:8月22~25日/会場:セント・アンドリュース・オールドコース
メジャーで優勝すると、賞金のほか、大会ごとに特徴あるトロフィーやさまざまな特典が授与されますが、以下は、5大大会の優勝で獲得できる共通の特典です。
■ほかの4つのメジャーへの出場権5年間
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
各大会で優勝すると、より多くの活躍の機会が得られます。
【1】シェブロン選手権
「シェブロン選手権」(英:The Chevron Championship)は毎年4月、スポンサーのシェブロンとIMGの共催で行われます。2024年は4月18日から21日まで開催。
会場となるコースは、第1回の1972年(メジャー昇格は83年)から2022年まではカリフォルニア州の「ミッションヒルズカントリークラブ」でした。18番ホールのグリーン脇にある池、通称『ポピーズポンド』に飛び込むのが恒例でしたが、砂漠での開催を維持するスポンサーを獲得できなかったため、2023年からは「ザ・クラブ at カールトン・ウッズ」(テキサス州)に変更されました。
なお、2023年優勝のリリア・ヴが18番グリーン脇の大きな池に飛び込むと翌2024年に優勝したネリー・コルダも追随したため、新コースでも“伝統”は継続されているようです。
2024年の優勝者は前述通りネリー・コルダ、優勝賞金は120万ドル(約1.9億円)でした。
「シェブロン選手権」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■チャンピオンローブとダイナ・ショア・トロフィー
■シェブロン選手権への生涯出場権
■ほか4つのメジャー大会への5年間の出場権
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
2024年「シェブロン選手権」の日本人女子ゴルファーの成績
今年も多くの日本人選手が参加し、以下のような成績を収めました。
勝みなみ9位タイ、畑岡奈紗13位タイ、山下美夢有17位タイ、岩井明愛・笹生優花30位タイ、稲見萌寧46位タイ、古江彩佳・渋野日向子50位タイ、西村優菜67位タイ、西郷真央は予選落ち。
ちなみに、9位タイの勝みなみはおよそ14.9万ドル(約2.3千万円)を手にしました。また、今大会からは予選落ちでも「経費のカバー」のため1万ドル(約154万円)が支給され、賞金総額は790万ドル(約12.2億円)にアップしています。
【2】全米女子オープン
「全米女子オープン」(英:U.S. Women’s Open Championship)は、毎年6月に開催される全米ゴルフ協会(USGA)主催の大会です。現存する最古の女子メジャーで、第1回は1946年開催。2024年はランカスターカントリークラブ(ペンシルベニア州)にて、5月30日から6月2日まで開催されました。
2024年の優勝者は笹生優花で、史上最年少となる22歳11か月13日での大会2勝目(初優勝は2021年)を果たしました。メジャー史上最高の賞金総額1200万ドル(約18.8億円)の大会を見事勝利した笹生は、優勝賞金240万ドル(約3.7億円)を手にしています。
「全米女子オープン」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■ミッキー・ライト・メダルとハートン・S・センプル・トロフィー
■10年間の全米女子オープン出場資格
■ほか4つのメジャー大会への5年間の出場権
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
2024年「全米女子オープン」の日本人女子ゴルファーの成績
今年も21人もの多くの日本人選手が参加し、笹生以外の選手達は以下のような成績を収めました。
渋野日向子2位、古江彩佳6位タイ、竹田麗央・小祝さくら9位タイ、山下美夢有12位タイ、岩井千怜19位タイ、尾関彩美悠36位タイ、河本結・西村優菜39位タイ、畑岡奈紗44位タイ、吉田優利51位タイ、鈴木愛67位タイ、岩井明愛74位、西郷真央・櫻井心那・藤田さいき・稲見萌寧・神谷そら・木村彩子・仁井優花は予選落ち。
今大会は、史上最多の14人が決勝に進出し、笹生を含めて5人がトップ10入りしました。ちなみに、2位の渋野日向子がおよそ130万ドル(約2億円)、6位タイの古江彩佳がおよそ36.5万ドル(約5.7千万円)、9位タイの竹田麗央と小祝さくらがおよそ27.1万ドル(約4.2千万円)、12位タイの山下美夢有がおよそ20.5万ドル(約3.2千万円)を獲得しています。
【3】KPMG全米女子プロゴルフ選手権
「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」(英:Women’s PGA Championship)は毎年6月に開催、全米プロゴルフ協会主催で、「全米プロゴルフ選手権」の姉妹大会です。2015年からKPMGがスポンサーとなり、KPMGの名を冠しています。
ほかのLPGAメジャー大会はアマチュアゴルファーの出場が可能ですが、本大会はプロゴルファー限定であることが大きな特徴です。また、1977年には樋口久子が日本人として初めてメジャー優勝を飾った大会でもあります。
2024年はサハリーカントリークラブ(ワシントン州)にて、6月20日から23日まで開催予定です。
2023年の優勝者はイン・ルオニンで、優勝賞金は150万ドル(約2.1億円)でした。
「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■全米女子プロゴルフ選手権への生涯出場権
■ほか4つのメジャー大会への5年間の出場権
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
2024年「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に出場資格がある日本人女子ゴルファー
今年の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に出場資格を持つ主な日本人女子プロゴルファーは以下の通りです。(2024年6月3日時点、括弧内は満たしている出場要件)
笹生優花(2021・2024年全米女子オープン優勝)、渋野日向子(2019年全英女子オープン優勝)、畑岡奈紗(2022年DIO Implant LA Open優勝)、古江彩佳(2022年Trust Golf Women’s Scottish Open優勝)、山下美夢有(日本ツアー賞金女王)、稲見萌寧(2023年TOTO Japan Classic優勝)、ほかにランキング上位の要件を満たしている岩井千怜、岩井明愛、西郷真央、西村優菜、勝みなみもいます。
【4】アムンディ・エビアン選手権
「アムンディ・エビアン選手権」(英:Amundi Evian Championship)は、毎年7月に開催される欧州女子ゴルフツアー(LET)と全米女子プロゴルフ協会(LPGA)共催の大会です。2013年にメジャー昇格しており、それ以前には2009年と2011年に宮里藍が、1997年には小林浩美も優勝を飾っています。
毎年「エビアンリゾートゴルフクラブ」(フランス、エヴィアン=レ=バン)で行われ、2024年は7月11日から14日までの開催予定です。
2023年の優勝者はセリーヌ・ビュティエ、優勝賞金は100万ドル(約1.4億円)でした。
「アムンディ・エビアン選手権」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■アムンディ・エビアン選手権生涯出場権
■ほか4つのメジャー大会への5年間の出場権
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
2024年「アムンディ・エビアン選手権」に出場資格がある日本人女子ゴルファー
今年の「アムンディ・エビアン選手権」に出場資格を持つ主な日本人女子プロゴルファーは以下の通りです。(2024年6月3日時点、括弧内は満たしている出場要件)
渋野日向子(2019年全英女子オープン優勝)、笹生優花(2021・2024年全米女子オープン優勝)、畑岡奈紗(2023年アムンディ・エビアンでトップ10)、稲見萌寧(2023年TOTO Japan Classic優勝)。
また、規定の期間にランキング上位に入っている選手などにも参加権が与えられます。
【5】AIG女子オープン(全英女子オープン)
「AIG女子オープン(全英女子オープン)」(英:The Women’s Open)は毎年8月開催で、ロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドルーズ(R&A)の主催です。2019年に渋野日向子が優勝した大会です。
開催コースは毎年イギリス内の10コースの持ち回りですが、男子の「全英オープン」と異なり、シーサイドリンクス(海沿いで自然の地形を生かしたコース)限定ではありません。2024年は「セント・アンドリュース・オールドコース」(スコットランド)にて、8月22日から25日まで開催予定。
2023年の優勝者はリリア・ヴで、優勝賞金は135万ドル(約2億円)でした。
「AIG女子オープン(全英女子オープン)」の優勝者には、主に以下のような特典が与えられます。
■10年間のAIG女子オープン出場資格
■ほか4つのメジャー大会への5年間の出場権
■ロレックスランキング100ポイント、CMEグローブポイント650
2024年「AIG女子オープン(全英女子オープン)」に出場資格がある日本人女子ゴルファー
今年の「AIG女子オープン(全英女子オープン)」に出場資格を持つ主な日本人女子プロゴルファーは以下の通りです。(2024年6月3日時点、括弧内は満たしている出場要件)
渋野日向子(2019年全英女子オープン優勝)、笹生優花(2021・2024年全米女子オープン優勝)、山下美夢有(日本ツアー賞金女王)、畑岡奈紗(2023年CME Globe Points上位35名)。
また、規定の期間にランキング上位に入っている選手などにも参加権が与えられます。
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