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「毎日、死ぬんじゃないかと…」 脳手術を行ったゲーリー・ウッドランドが5カ月振りツアー復帰

おかえりなさい! 全米オープン覇者のゲーリー・ウッドランドがツアーに戻ってきた(撮影:GettyImages)

<ソニー・オープン・イン・ハワイ 初日◇11日◇ワイアラエCC(米ハワイ州)◇7044ヤード・パー70>

メジャーチャンピオンが手術後、無事に復帰戦を迎えることができた。昨年9月に脳病変摘出の手術を受けた、2019年「全米オープン」覇者のゲーリー・ウッドランド(米国)が、「ソニー・オープン・イン・ハワイ」でカムバックを果たした。

昨年の春から脳に異変を感じ、病気が発覚。8月「ウィンダム選手権」を最後にツアーを欠場し、9月に病変摘出の手術を行った。11月には自身のSNSでボールを打っている姿を公開し、順調に回復している様子を見せたが、このハワイ戦が5カ月ぶりの実戦復帰になった。

開幕2日前には、ここまでの苦しい道のりが赤裸々に語られた。「4カ月半の間は毎日、死ぬんじゃないかと思っていた。医師は大丈夫と言い続けてくれたけど、恐怖と不安が常にあった。車を運転していても、飛行機に乗っていても、全てが自分を殺すものだと思っていた」。

視力を失い、左半身麻痺という2つの大きなリスクがあるなかで手術に踏み切り、無事に成功。安どするとともに、再びゴルファーとして世界最高峰の舞台に戻ってくることもできた。支えてくれた家族に対しては「自分もつらかったけど、家族はもっとつらかったと思う。この間、ずっと僕に向き合い、僕を前向きにし続けてくれた」と感謝を伝えた。

「この世界にはいいことがたくさんあるということに気づいた。僕がもらった愛とサポートは信じられないほど。今週戻ってきて、みんなに会うことができた。その素晴らしさに圧倒されたよ」

大会初日はケビン・キスナー(米国)、タイレル・ハットン(イングランド)と同組でプレー。スタートホールのティイングエリアでは『おかえり』の声がかけられ、『ゲーリー・ウッドランド』と名前がコールされると目を潤ませた。「思っていたよりも少し感情的になった。自分の名前が呼ばれて、深呼吸をしたよ」と、決して忘れられない瞬間になった。

前半は3オーバーと出遅れたが、後半に2つのバーディを奪って巻き返し、初日は1オーバーで終えた。それでも「おそらく、今までオーバーパーで回った中で、一番幸せだと思う」と、喜びをかみしめ笑顔で駆け抜けた。ツアー通算4勝を誇るウッドランドの、ゴルフ人生第ニ章が幕を開けた。

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