＜PNC選手権 初日◇16日◇ザ リッツ カールトンGC（米フロリダ州）◇7106ヤード・パー72＞
温暖なはずのフロリダ州だが、初日は冷たい雨の悪天候に見舞われた。ティタイムを早めて無事に第1ラウンドは終了できたが、タイガー・ウッズ（米国）の右足には不運だったかもしれない。スクランブル方式（※ティショットを二人ともが打ち、セカンド以降は好きな方を選択し再び二人が選択した場所から打つ。ホールアウトまで繰り返しベストスコアを採用）のプレーで奪ったバーディは8つ。首位を行くマット・クーチャー組の15アンダーに7打差の11位タイと出遅れる結果になった。
そのなかでチーム・ウッズをけん引したのは息子だった。ハイライトは13番。321ヤードのパー4でドライバーを手にしたチャーリー君のティショットは、グリーン手前のバンカーを越えてグリーン面に落ちると、左やや奥のエッジに止まった。そこからイーグルを狙ったもののフックラインはわずかに切れずにカップ右へ。強気で攻めたタイガーのパットはカップを通り過ぎ、結果はバーディだった。
ちなみに14歳のチャーリー君は育ち盛り。「今年の初めに114（ｍｐｈ）だったスイングスピードは、今は120になった」と胸を張る。優勝を目指すチーム・ウッズにとっては厳しいスコアだが、キャディを務めたのは長女のサムさん。「二人の子供たちがロープ内にいてプレーに参加し、ゴルフの一部になることはこれ以上 ない特別なこと。自宅ではときどきやるけれどトーナメントでは初めてで、本当にすばらしい一日だった」とタイガーはスコア以上の価値を感じている。
“パパ”はこれまでにもチャーリー君のバッグを度々担いでいるが、息子の評価はというと…。「父はフックをすごく大きく読むんだ。ぼくのパッティングは父ほどフックしないから、右に外れることが多い。だからそれを考えて打たないと（笑）」と、その誤差を埋める作戦を明かす。
プレー後には二人並んでメディアに対応。これまでは父であるタイガーが質問にはほぼ答えていたが、今回はチャーリー君が話すシーンも多くみられた。「きょうのぼくのティショットはすごく良かった。一度もフェアウェイを外していないからね。それでも8アンダー…、二人ともパットが下手過ぎだよね」。そういって父を見上げると、タイガーも苦笑いを浮かべるしかない。さらに記者からの『父から何か教えがあったか？』という質問には、「教えなんてないよ。誰かに聞かれたら答える練習をする。ただ質問にちゃんと答えるだけ」と話す。
悪天候はこの夜中には通過し、最終日となる2日目は回復する予報もだされている。チーム・ウッズは米東海岸時間17日午前10時51分にスティーブ・ストリッカー組とともにスタート。7打差を追いかける特別な日が続く。（文・武川玲子＝米国在住）
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