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始まったJLPGAプロテスト第2次予選 合格はゴールではない【原田香里のゴルフ未来会議】

2022年度JLPGAプロテスト合格者(撮影:福田文平)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今日は、JLPGAプロテストの第2次予選が始まったお話をしたいと思います。

5会場で行われた1次予選を通過した選手たち220人が進んだ第2次予選。すでにここまでで395人もの人達が振り落とされていることからも、厳しい戦いであることがよくわかります。さらに、1次予選を免除された次の選手たちが加わります。昨年の最終プロテストに出場した選手、6月30日時点でロレックスランキング400位以内のうち、申込んだ上位30名、JLPGAが承認した者です。当たり前ですが、いずれも実力がある選手たちなので、さらにフィールドは厳しくなります。
 
すでに87人が参加したC地区会場(広島県・呉CC)での2次予選は終了しています。米ツアーでプレー経験もある山口すず夏さんや、今年の日本ジュニア優勝者で、先週の日本女子オープンでローアマとなった中村心さんなど、27人が最終予選にコマを進めています。
 
昨日の3日(火)から始まっているA地区会場(茨城・静ヒルズCC)、10日からのB会場(三重・ジャパンクラシックCCクイーンC)の2つがまだ残っています。どちらもC地区会場と同程度の人数が挑み、クリアできれば10月31日からの最終プロテスト(岡山・JFE瀬戸内海GC)へとようやくたどり着くことになります。
 
最終テストの厳しさはそれまでの比ではありません。2次まで免除された選手たちも加わっての72ホ―ル。合格は20位タイまでと決まっています。最終的に何人がプレーすることになるかはまだはっきりしませんが、昨年の例でみると100人が挑み、ちょうど20人が合格しています。私が受験した当時(1989年)のプロテストは、54ホールで、合格ラインは順位ではなく通算12オーバーまででした。ですから、コンディションによって合格人数は違うのは当たり前でした。
 
その後、ジュニアゴルファーが増え、ツアーが人気になり、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)が世界基準を打ち出すなど様々なことがあって、プロテストの在り方は改革を重ねてきました。今の形がベストかどうかはさておき、今後も常にアップデートしていく必要はあるでしょう。目指し続けている世界基準も含めた組織としての将来のビジョン、ツアーの強化、ジュニアたちを始めとする受験生たちの状況…。時代によって変わっていくこれらを総合的に考慮して、協会(JLPGA)が考えていかなくてはならないことだと思います。
 
とてつもなく狭き門であるプロテストに合格しても、そこで終わりではありません。プロテストを受験している選手のほとんどは、試合に出て活躍することを目標にしているはずです。まずはQTを経て試合に出場する権利を勝ち取ること。その次は試合で結果を出すこと。これを続けていく必要があります。プロとして試合に出ている限り、永遠にゴールはないのです。
 
プロテスト合格を目指すみなさん、終わりなき厳しい世界が始まっています。辛いことだらけに感じていると思いますが、ツアーで戦っていくこと、ツアーで輝く自分になることへの第一歩だと思ってください。どうぞ1打もあきらめることなく、自分に負けることのないようにしてください。
 
ケガには十分に気を付けて毎日をお過ごしください。みなさんの幸運を心から祈っています。
 
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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