【記者会見】“アウェイの洗礼”を受けた流経大・山本想「声も通りづらかった」

9月2日、アリーナ立川立飛にて日本女子Fリーグ第9節が行われ、立川アスレティックFCと流経大メニーナ龍ケ崎が対戦した。

1000人を超える観客が集まった流経大にとっての“アウェイゲーム”は、開始2分と4分の失点でスタートした。難しい立ち上がりから守備を立て直し、15分にはコーナーキックから成田凜可がネットを揺らして点差を縮めた。しかし第1ピリオド終了間際に2点を失い1-4で試合を折り返すと、第2ピリオドは前がかりになったタイミングで相手に裏を突かれてしまい、立て続けに3失点。ペースを奪うことができず、1-7で敗れた。

試合を終え、奈須隆康監督とキャプテンの山本想が記者会見に出席した。

自分たちでゲームの流れを悪くしてしまった

奈須隆康監督|流経大メニーナ龍ケ崎

──試合を振り返って。

本日は立川のホームゲームということで、これだけ観客が集まった素晴らしい会場でゲームができたことを大変うれしく思います。ありがとうございます。

この雰囲気をどう跳ね返すかが重要だという話を選手には伝えましたが、先に失点してしまい、自分たちでゲームの流れを悪くしてしまったところを、まず一つ反省したいです。

失点が続きながらも、選手は顔を上げて点を取りに行く姿勢を最後まで示してくれました。負けはしましたが、そこは次のゲームには必ずつながる点だと思っています。しっかりと反省をして、課題に取り組んでいきたいです。

──女子のリーグで今日のような観客数や雰囲気を味わうことは少ないかと思いますが、その影響はありましたか?

前節は自分たちのホームゲームに流経大の男子サッカー部が応援に来てくれて、声援を自分たちの力に変えることができました。今節は逆に立川のホームで、なかなか難しいところはありましたが、前節ホームでたくさんの観客の前でプレーはしていたし、選手が緊張して力を出しきれなかったという印象は受けませんでした。僕のうるさい声が聞こえないぶん、選手はプレッシャーを感じずにプレーできたかもしれません。

──パワープレーも含めて、ところどころGK攻撃を使っていましたが、普段どれくらい時間を使って練習をしていますか?

足技でプレーする練習は、GKもフィールドメンバーと一緒に15分から20分ぐらいは必ず行っています。うまくいかないシーンはありましたが、そんなに技術的に難しいプレーではなかったと思うので、本人も自信になったと思います。今日は点を取れなかったので、これからも継続してゴールまでもっていけたらなと思います。

──得点シーンは、セットプレーで直前にタイムアウトをとり、しっかりとゴールにつなげることができていました。その点について振り返っていただけますでしょうか。

一応タイムアウトをとって、狙った形でやろうという確認をしました。ただ、選手には常に選択肢をもたせたいので、この状況になったらこういう選択肢、この状況になったら、こういう選択肢っていう形を伝え方をしました。それを選手がピッチで判断して、横パスから左利きがシュートを打つという形を選んでゴールすることができたので、そこは選手たちの成長を感じました。

──先ほど山本選手から、ディフェンス時についての課題が出た試合だったと話がありましたが、第1ピリオドの途中は、うまく守れていた時間もあったように見えました。

まず前半の戦い方としては、立川に自分たちの後ろのスペースを与えてしまうと流れをもっていかれる想定をしていたので、ディフェンスのラインを低めに設定をしていました。ディフェンスの距離感はいい状況を保てていたと思います。ただ失点が重んでいくにつれて、自分たちはスペースを与えてでも前に行かなきゃいけない状況になったので、そこをうまく使われてしまいました。そこは試合前から想定の範囲内でしたが、連続失点につながってしまったので、今後継続して課題をクリアしていきたいです。

──先ほどGKの話もありましたが、見ていても、ボール捌きや足技、キックのうまさを感じました。そこは今後も使い続けていきたい部分ですか?

彼女たちはフットサルのトレーニングをする時もあれば、大学サッカーリーグに所属しているので、サッカーのトレーニングもしています。距離感はもちろん変わりますが、サッカーでもボールをしっかりと握りながら攻撃を組み立てる戦い方を一貫しているので、ボールを扱う技術に関しては普段からGKにも求めています。彼女があそこまで落ち着いてプレーできた要因はそこにあると思うので、(フットサルにもサッカーにも)双方にメリットが出るように続けていきたいです。

学年関係なく話し合えるチームに育っている

●山本想|流経大メニーナ龍ケ崎

──試合を振り返って。

今日の試合は、自分たちの弱さが前面に出てしまった試合でした。ディフェンスで頑張らなきゃいけないポイントを、全部立川に抜かれてしまい、課題がたくさん出た試合になってしまいました。次節は相手にしっかりとマークを付けるとか、そういう簡単なところをしっかりと自分たちで考えて取り組むことで、勝ちにつなげていきたいです。

──女子のリーグで今日のような観客数や雰囲気を味わうことは少ないかと思いますが、その影響はありましたか?

前節自分たちのホームの雰囲気も感じてはいましたが、今日は立川のホームで、これだけ多くの方を前にして、個人的には少しだけプレッシャーを感じていました。どこを見ても立川の応援だったし、声も通りづらく、選手同士のコミュニケーションが取れない場面もあったので、そこは難しかったです。

──限られた4年間という時間で、毎年選手が変わる大学生のチームですが、今年はどんな特徴のあるチームだと感じていますか?

今年は、学年関係なく話し合えるチームに育ったなと自分は思います。一つのミスがあったとしても、そのミスのことについてみんなで向き合って、次の試合に臨めるチームです。

──ディフェンスの課題が出た試合だったと話がありましたが、第1ピリオドの途中は、うまく守れていた時間もあったように見えました。

「最初はラインを低く」という話から、後半は前からプレスをかけるっていう戦い方に変わって、マークの受け渡しや、マンツーマンディフェンスをするための話し合いが途中からできなくなってしまって、失点が重なってしまったことが大きかったかなと思います。

──卒業後も女子Fリーグでのプレーを目指しているのでしょうか?

他の子はわからないですが、私はFリーグでプレーしたいなと思っています。

──アウェイではありつつ、会場のこの雰囲気を率直にどう感じましたか?

もちろん難しい部分はあるんですけど、声をかけて「楽しもう」ってことをちゃんと選手たちは共有していたので、そこは忘れずにプレーですることができました。

 

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