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小柄な西岡良仁がツアーで活躍できるカギは、フットワーク、ゲーム性、対応力【山中夏雄コーチ】<SMASH>

2013年2月に西岡良仁は17歳でフューチャーズに優勝している。写真提供:山中夏雄
錦織圭のアメリカ留学をサポートした盛田正明テニスファンド(MMTF)のコーチとして、アメリカのIMGアカデミーに常駐し、日本のジュニアたちの成長を支えている山中夏雄氏。このコラムでは日本のトッププロたちが、いかにして成長してきたのか、日米テニス界の違いなどを教えてもらう。

小柄な西岡良仁が、ATPツアーで活躍するためにしてきたこととは? 今回はプレー面に注目して必要なことを教えてもらった。

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IMGアカデミーのニック・ボロテリーは(西岡)良仁のことを、とても気に入っており、プレー面ではフットワークの良さとゲーム性を評価していました。小柄だからといって、ただ頑張って粘るだけではツアーで生きていけません。1つのショットに意味があり、ボールを打った後は、適切なポジションに動くことで、攻撃的なゲーム性を確立していました。

IMGアカデミーに来た時、フォアハンドのグリップが厚かったのですが、ニックは「これでいいんだ」と断言しました。実際、フォアハンドはそのグリップで、深く、アングル、ダウンザラインにもコントロールできていましたし、タイミングも変えられていたのです。その上、力強いバックハンドとのメリハリがあったため、効果的でした。

良仁は自分が先にミスをするのが嫌いでしたが、ショットの質を落としてミスを回避するのではなく、ペースや回転をコントロールして、ミスせずに攻めていました。ツアーレベルになると、攻めないと勝てません。小柄な体格でどうやって攻めるかという答えの1つがボールコントロールにあると思います。
日本人選手の場合、体格差でパワー負けするため、それをカバーする何かは必要です。その武器は人によりますが、まずは必ずピンポイントで狙えるという自信を持って打てるショットを持っておくといいのではないでしょうか。

技術的なこと以外では、対応力があったことも注目点です。上のレベルの人と対戦する時も、ただがむしゃらに挑戦はしません。まぐれではなく、自分のテニスが崩壊しない範囲で勝ちに行くテニスができていました。

同時に下のレベルの選手に対して、負けないテニスができる強さがありました。相手は向かってくるので足をすくわれる可能性があります。しかし、「ここに打ち続けると相手は入らなくなるな」という察知能力が高かった。自分のミスが出始めた場合でも、コートに入れるだけではなく、負けないペースでボールをコントロールできるのです。

フットワークにボールコントロール力があることで、戦術を組み立て実行することができ、対応力があることで結果に結びつけることができていたと思います。

文●山中夏雄(盛田正明テニスファンド・IMGアカデミー常駐コーチ)

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