試練のシーズンを送るジョコビッチが15年間師事したコーチと関係解消「彼がしてくれたこと全てに感謝している」<SMASH>
男子テニス世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、長く自身のコーチを務めてきたマリアン・バイダ氏との契約を解消したことが明らかになった。
2006年から約15年にわたってバイダ氏の指導を受けてきたジョコビッチ。右ヒジのケガに苦しんだ17年シーズンに2人は一時的に解散したものの、翌18年にはその関係が復活。昨年7月のウインブルドンでのグランドスラム20度目の優勝や世界1位在位期間361週の新記録樹立をはじめ、これまでにジョコビッチが残してきた数々の偉大なる功績の裏には常にバイダ氏の支えがあった。
だが、ジョコビッチが19年6月にゴラン・イバニセビッチ氏に師事するようになってからは、徐々にバイダ氏の役割が縮小されていた。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、昨年11月の「ATPファイナルズ」の終了後には、すでにジョコビッチとバイダ氏は関係を解消する方向で合意していたという。なお、2人が別々の道を歩むことになった具体的な理由はわかっていない。
ジョコビッチは現地時間3月2日に自身の公式インスタグラム(@djokernole)を更新。キャリアの初期から自身の成長をサポートし続けてくれたバイダ氏へ、感謝の言葉を綴った。
「マリアンは、私のキャリアの中で最も重要で記憶に残る瞬間に私のそばにいてくれました。この15年間、彼との友情と彼の僕に対する献身にとても感謝しています。彼はチームを去るかもしれませんが、彼は常に家族であり、彼がしてくれたこと全てに感謝してもしきれません」
一方バイダ氏もジョコビッチの公式サイトを通じ、長年苦楽を共にしてきた愛弟子に以下のような感謝とエールのメッセージを残した。
「ノバクと過ごした期間、私は彼が今日のような選手に成長していく様子を見ることができて幸せでした。私は計り知れない誇りを胸に私たちが共に過ごした時間を振り返り、私たちが成し遂げた成功にとても感謝しています」
「私は、コート上でもコート外でも、彼の最大の支え役であり続けます。彼の新たな挑戦を楽しみにしています」
先の全豪オープンで国外退去を余儀なくされたジョコビッチは、先週の「ドバイ選手権」でようやく今季初戦を迎えたが、準々決勝で予選勝者のイリ・ベセリー(チェコ/現74位)に敗退。この結果、今週のランキングで1位の座をダニール・メドベージェフ(ロシア)に明け渡すことになった。来週の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)もワクチン接種していないジョコビッチが出場できるか不透明で、前王者は今季序盤から試練の時が続いている。
文●中村光佑
【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショット
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