テニス統括団体がロシアとベラルーシへの制裁を決定。団体戦出場を禁止、モスクワのツアー大会は中止に<SMASH>
IOC(国際オリンピック委員会)がロシア人の競技者を国際大会から除外するように通告するなど、ロシアによるウクライナ侵攻はスポーツ界にも大きな影響を及ぼしている。それを受けてテニス界でも、ロシアおよびそれを支援するベラルーシに対して各統括団体が制裁措置を課すことを決めた。
現地時間3月1日にATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、ITF(国際テニス連盟)、各グランドスラム(全豪・全仏・ウインブルドン・全米)の大会主催側は共同で公式声明を発表。依然として軍事攻撃の手を緩めないロシアを厳しく批判し、以下のメッセージを寄せた。
「先週のロシアのウクライナ侵攻を受け、テニス界全体に深い苦悩、衝撃、悲しみが広がっています。我々はウクライナの人々に思いを寄せており、この容認できない侵略行為に対して声を上げ、行動を起こした多くのテニスプレーヤーを賞賛します。私たちは、暴力の終結と平和の回復を求める彼らの声に共鳴します」
そのうえで、具体的に制裁措置の内容を公表している。
まずATPとWTAは、今年10月に共同で開催する予定だったモスクワ大会(クレムリン・カップ/インドアハードコート)を取りやめるとした。当初のカレンダーではATP250大会、WTA500大会として10月18日~24日の週にスケジュールが組まれていた。
またITFは、先にロシアでのITFツアーの無期限キャンセルを発表していたが、加えてロシアとベラルーシのITFメンバーからの除外も決定。追って通知があるまで、全てのITF国際団体競技への参加を不許可とした。
これにより両国はITFが主催するデビスカップ(男子テニス国別対抗戦)やビリー・ジーン・キング・カップ(女子テニス国別対抗戦)といった団体戦にも無期限で出場できないこととなる。なお、ロシアテニス連盟は昨年の両大会で優勝を飾っている。
一方で、共同声明では「現時点ではロシアとベラルーシの選手は、引き続きツアーやグランドスラムの国際テニス大会に出場できます」と、選手個人の締め出しは行なわない意向を示した。ただし「ロシアやベラルーシの国名や国旗を使用した上で競技を行なうことはできません」とも通告。あくまで“個人”としての大会参加を前提としている。
2月28日には核戦力部隊が戦闘態勢に入るなど、状況は悪化の一途をたどっているロシアの軍事侵攻。多くの人命が奪われている現状で、テニスツアーはどのような対応を求められていくのか。この先も全く予断を許さない日々が続く。
文●中村光佑
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Joint Statement by the International Governing Bodies of Tennis
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— ATP Tour (@atptour) March 1, 2022
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