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1990年代なら「ベンチ要員」。アデトクンボに辛口評価のオークレーに異論噴出「彼ら相手にもダンクしているさ」<DUNKSHOOT>

アデトクンボ(右)についてオークレー(左上)は辛口評価を下したが、トーマス(左下)は「ヤニスは彼らにもダンクしているさ」と反論した。(C)Getty Images
 2013年にNBA入りしたヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)は、年々身体をビルドアップさせつつ、スキルを身につけてローテーション入り選手からスターター、オールスター、そしてリーグ最高級の選手へ成長を遂げた。

 2018-19、19-20シーズンにはバックスをリーグトップの成績に導く立役者となって2年連続でMVPを獲得。昨季はバックスを1971年以来、半世紀ぶりとなるNBAチャンピオンへと導き、ファイナルMVPにも輝いた。

 ギリシャ出身の27歳は、まだまだ飛躍の途中だ。今年1月には「自分のことをベストだと思ってしまうと、その時点で成長が止まってしまう。僕はいつだって謙虚でありたいし、他の選手たちやチームを追いかけたい。そう言われるのは嬉しい褒め言葉だけど、僕は世界のベストプレーヤーなんかじゃない。もっと上手くならなきゃいけないんだ」と語った。

 今季も“グリーク・フリーク”は平均29.4点、11.4リバウンド、6.0アシスト、1.0スティール、1.4ブロックにフィールドゴール54.5%と、リーグ屈指の好成績を残しており、MVP候補にも挙がっている。

 ところが、現地時間2月12日にYouTubeへ公開された『SLAM』のポッドキャスト番組「No Pump Fakes」で、チャールズ・オークレー(元ニューヨーク・ニックスほか)はそのアデトクンボについてネガティブな発言をしていた。
 「彼は彼の仕事をするが、俺はヤツには懐疑的だ。彼はジャンプショットとフリースローを決められないからだ。昨年勝ったことで、俺を味方につけたけどな」

 公称203センチ・102キロの肉体派として知られたオークレーは、シカゴ・ブルズやニックス、トロント・ラプターズなどで計19シーズンをプレーし、キャリア平均9.7点、9.5リバウンド、2.5アシスト、1.1スティールを記録。

 ブルズではマイケル・ジョーダン、ニックスではパトリック・ユーイングの用心棒役を務め、ラプターズではヴィンス・カーターを鼓舞してきた男は、フィジカルコンタクト全盛時代を生き抜いてきた。

 そんなレジェンドからすると、アデトクンボは1990年代のNBAでは苦戦すると見ているようだ。

「彼は苦しんでいただろうね。相手選手たちはジャンパーを決めさせず、ユーロステップでバスケットにも行けなかったと思う。で、誰かが大笑いしていただろう。あの時代だったら、彼はベンチ要員になっていたかもな」

 そして、この発言に元デトロイト・ピストンズの名司令塔アイザイア・トーマスが反応。28日に放送された『NBA TV』の番組内で、オークレーに反論した。

「ヤニスならオークレーの周りを跳びはねるさ。他の連中にも彼ら相手にもダンクしているさ。彼(ヤニス)は大きいうえに速く、強靭だからだ。(オークレーは)もうプレーしないから、そんなことを言うんだろう。葉巻を吸って過去のことを話している連中はそうなるんだろうね」 トーマスは笑みを交えながら、当時のリーグでもアデトクンボが今と同じレベルでプレーできるか聞かれて「当然だ」と発言し、さらにこうも話していた。

「『80年代では彼が支配できない』、なんて話はもう止めよう。私たちのリーグ(時代)であんな男は見たことがなかったじゃないか。彼のことを称賛すべきだ。80年代、90年代、2000年代、それが3020年代になっていようと、彼がコートに立てばやってくれるさ」

 公称211センチ・109キロのアデトクンボは、3ポイントやフリースローを得意としているわけではない。ただ、トーマスやオークレーがプレーしていたフィジカルなディフェンス全盛時代に、3ポイントラインから1ドリブルでダンクを叩き込む選手は皆無だった。
  高さと速さ、さらには身体能力を兼備するアデトクンボならば、もし当時プレーしていたとしても、フィジカル面で相手に劣っていると感じればジムにこもってさらに肉体を鍛え上げていたに違いない。それに当時はゾーンディフェンス厳禁で、マンツーマンだったこともあり、むしろ今よりもペイントエリアで支配的な活躍をしていた可能性もある。

 今季、アデトクンボ率いるバックスが連覇を果たすことができれば、オークレーのように彼を批判する声も静まるかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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