国外退去のジョコビッチが母国メディアに打ち明けた「将来的にはオーストラリアに戻ってプレーしたい」理由<SMASH>
先日行なわれた英公共放送『BBC』のインタビューで新型コロナウイルスのワクチン接種が義務付けられた場合、四大大会の欠場も辞さないと発言した男子テニスのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)。渦中の世界王者がこのほど母国セルビアの放送局『RTS』のテレビ番組に出演し、全豪オープンへのカムバックや2024年のパリ五輪での金メダル獲得を今後の目標に掲げた。
先のオーストラリア入国問題では最終審理の結果、強制送還と4連覇がかかっていた全豪の欠場を余儀なくされてしまったジョコビッチ。それでもテニス界のスーパースターは「オーストラリアとは素晴らしいつながりがありますし、強い絆で結ばれています」と前置きし、過去9度の優勝を誇る思い出の全豪に戻ることを待ち望んでいると明かした。
「メルボルン(全豪)で起こったすべての素晴らしいことを、私はいつも覚えています。メルボルンでは、プロとして、また個人として、たくさんの素晴らしい瞬間を経験することができました。今年起こったことは全て予想外で、忘れることはできないのでしょうが、将来的にはオーストラリアに戻って、またロッド・レーバー・アリーナでプレーしたいです」
四大大会での20度の優勝をはじめ、数々の輝かしい功績を残してきたジョコビッチ。だが、そんな彼にも未だ成し遂げていないことがある。それはオリンピックでの金メダル獲得だ。
2021年シーズンだけで全豪・全仏・ウインブルドンを立て続けに制覇したジョコビッチは男子テニス史上初となる「年間ゴールデンスラム(1年で全ての四大大会とオリンピックを制覇)」に大きな期待がかかっていた。ところが東京五輪では準決勝でアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/現3位)に逆転で敗れて偉業達成を逃すと、3位決定戦でもパブロ・カレノブスタ(スペイン)でフルセットの末に敗退。同じく3位決定戦に回った混合ダブルスは棄権し、まさかのメダルなしという結果に終わっていた。
2008年の北京五輪ではシングルスで銅メダルを獲得しているジョコビッチだが、やはり「金メダルの獲得」はあきらめられないようだ。早くも「2024年にはパリに行くつもりです」と宣言した34歳は、「オリンピックのメダル、特に金メダルは、常に大きな願いです」とパリ五輪制覇への意欲を示した。
だが、やはり気になるのは現在もワクチン接種を完了していないジョコビッチが今後どの大会に出場するかということだろう。ここ最近の新型コロナの爆発的な感染拡大により選手に事前のワクチン接種を義務付けるツアー大会は増えており、現時点でジョコビッチがエントリーしている「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)もそのうちの一つだ。
その一方で今季初戦を予定している「ドバイ選手権」(2月21日~26日/アラブ首長国連邦・ドバイ/ハードコート/ATP500)はワクチン接種が義務化されていないため、問題なく出場できる見込みだ。英スポーツメディア『Sportskeeda』によると、ドバイ大会のトーナメントディレクター、サラ・タフラック氏も「ドバイ大会の出場に関しては何の心配もないだろう」と述べている。
文●中村光佑
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