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春恒例の国際大会“大学シリーズ”が今年も軒並み延期か中止に。感染再拡大で海外選手の来日が見込めず<SMASH>

2019年の「早稲田大学インターナショナルオープン」。再び開催できる日が来ることを祈りたい。写真:スマッシュ編集部
一時期減少傾向にあった新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、国内のテニス界に暗い影を落としている。毎春恒例の国際テニス大会“大学シリーズ”が、軒並み延期または中止を発表。開催の目途が立たない状態となっている。

例年2月末~3月に開催している「慶應横浜チャレンジャー国際トーナメント」(男子:ATPチャレンジャー、女子:ITFツアー25,000ドル)はこのほど延期を決定し、11月に移行したい旨を表明。「国外からの入国制限・隔離措置があることにより国際テニス連盟の大会開催基準を満たすことが難しく、(中略)安全確保を最優先に考え決断に至りました」としている。

3月6日~13日に開催予定だった「亜細亜大学国際オープン」(男子ITFツアー/15,000ドル)も延期を決めた。安全を十分に確保できないことに加え、「大学構内での開催という多くのハードルをクリアすることができませんでした」と理由を説明している。

3月13日~27日にITFツアーの男子15,000ドル、女子25,000ドルの2大会を予定していた「甲府国際オープン」は、「3月開催を中止」とし、現時点で「延期時期は未定」との発表を行なった。「国内のコロナ感染状況が良い方向に向かっている矢先、オミクロン株の発生で緩和されつつあった入国制限が改めて元に戻ってしまいました」と、無念の思いを伝えている。
他に3月27日~4月3日に開催予定だった「筑波大学MEIKEIオープン」(男子ITFツアー/15,000ドル)も「延期または中止」を発表。その前週の「早稲田大学インターナショナルオープン」(男子ITFツアー/15,000ドル)も日本テニス協会のカレンダーに「中止/延期大会」と記載されている。

大学シリーズは男女ツアーの下部大会にあたり、国際ポイントのない学生や若手が参戦しやすい、“世界への登竜門”的な大会である。また、大学のコートや施設を使い、学生自らが運営に当たるのも大きな特徴。競技の進行だけでなく、国内外の選手やメディアの対応、マネージメント、宣伝、イベント企画、グッズ販売など、様々な役割を学生自身がこなすことで、貴重な社会勉強の場にもなってきた。そうした機会がなくなるのも各大学にとっては大きな損失だ。

2020年、2021年と、ほぼ全ての大会が中止を余儀なくされた大学シリーズ。3年続けて開催されないとなると、前回の運営に携わった学生は皆卒業し、ノウハウの引き継ぎにも支障を来すだろう。国際大会である以上、海外選手が来日できない現状では致し方ないが、何とか秋にはコロナが収束し、大会が開催されることを祈らずにはいられない。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】グランドスラムってこんな感じ!大会スナップ写真をお届け!2019年版

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