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消息不明騒動の中国テニス選手が五輪会場で観戦。バッハ氏と会話を交わすも、WTAは懸念を拭えず【北京五輪】

北京五輪のフリースタイルスキー会場に姿を見せたペン・シューアイ。果たして自由な行動なのか、疑問は残るが…。(C)Getty Images
中国の張高麗(チャン・カオリー)前副首相による性的暴行をSNSで告発した直後に消息不明となり、世界規模の騒動となっている女子テニスのペン・シューアイ(中国)。渦中の彼女が現地2月8日に行なわれた北京冬季五輪のフリースタイルスキー女子ビッグエア決勝を観戦した。『ロイター通信』などが報じている。

五輪マークの入ったニット帽と中国の国旗が付いたジャケットを着用して競技会場に登場したペン・シューアイ。同席したIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と会話を交わし、時折笑顔を見せる場面も見られた。だが、複数メディアによると、試合後に記者からの質問に答えることなく会場を後にしたという。

一方でバッハ会長は報道陣の取材に応じ、「私はちょうど彼女(ペン)に会った。彼女はここでスタジアムに座っていた。彼女と話す機会もあった」とコメント。「彼女は『(ウイルス感染防止の)検疫に行かなければならない』と言っていた。だから彼女はバブル(安全隔離施設)を去ることになる」とも明かした。
2月5日に北京市内でバッハ会長との会談に出席したペン・シューアイは、先日に行なわれた仏『レキップ』紙のインタビューでSNSに投稿した性的暴行の告発を否定。さらに一時的に消息を絶ったことについても「私は姿を消したことはありません。それは単にコンピュータが壊れていただけです」と釈明していた。

だが、WTA(女子テニス協会)のスティーブ・サイモンCEO(最高経営責任者)は、本人のバッハ氏との会談や『レキップ』紙のインタビューを受け、2月7日に公式声明を発表。「私たちのペンへの懸念を軽減するものではありません。我々は当局によるこの疑惑への正式な調査と、WTAがペンと個人的に会う機会を設け、彼女の状況を話し合うことを要求しています」と主張していた。

最近では度々公の場に姿を現しているにもかかわらず、依然として身の安全を懸念する声が多いのは事実だ。今後の動向にも注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

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