バッハ会長、ペン・シューアイとの対面を公言!海外メディアは「国際的な懸念を和らげるものではない」と訴え【北京五輪】
「彼女には私と会うためにバブルの中に入ってきてもらう。手続きができたら、ぜひお会いしたい」
現地時間2月3日に北京市内で開催した国際オリンピック委員会(IOC)の総会後の会見で、トーマス・バッハ会長はそう語った。その安否が懸念されている中国の著名テニス選手であるペン・シューアイと会うというのだ。
バッハ氏の言う彼女が本人であるかは分からない。昨年11月に中国の元副首相に性的関係を強要されたと訴えてから消息不明となっているからだ。すでに国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や女子テニス協会(WTA)は、中国政府とIOCに対する疑念を公表している。
そうしたなかで、「対面の会談が最も理想的だ」と明かしたバッハ会長の発言は、各国メディアでも小さくない波紋を広げている。
【動画】昨年12月に公開されたペン・シューアイが取材を受けている様子 英衛星放送『Sky Sports』は、バッハ会長のコメントを伝える速報内で、「ペン・シューアイの安全と幸福に関する国際的な懸念を和らげるものではない」とレポート。さらにマレーシアの英語新聞である『Malay Mail』も「3度のオリンピックに出場しているアスリートがどれほどの自由を得ていて、安全であるかは不明なままだ」と伝え、あらためて北京五輪に対する疑念を主張した。
「“鳥の巣”(メインスタジアム)での開会式に向け、中国政府と実行委員会は着々と準備を進めている。だが、あらゆる人権問題や新型コロナウイルスの感染拡大に加え、同国政府によるアスリートの詮索によって、大会は早くも影を落としている」
なお、バッハ会長はペン・シューアイの現状に対する捜査や情報開示について、「求められれば協力は惜しまない」としつつも、「だが、それは彼女に決定権がある。彼女の人生なのだからね」と語っている。
かねてから続いてきたペン・シューアイの消息不明問題。各国のSNS上で「where is peng shuai」のハッシュタグが拡散されるなかで、世界が納得するような動きは見られるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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