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チチパスの全豪オープン出場に“黄信号”!手術の右ヒジ悪化で「どうなるか本当にわからないんだ」<SMASH>

昨シーズンは急成長を遂げた世界4位のチチパスだが、手術した右ヒジが思わしくなく全豪出場が見通せない状況となった。(C)Getty Images
右ヒジに不安を抱えている男子テニス世界ランキング4位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が、1月17日から開幕する「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)の出場可否について「まだわからない」と発言した。

昨年11月に行なわれたATPファイナルズ(シーズン最終戦)のラウンドロビン(予選)を棄権した直後にスイスの病院で右ヒジの手術を施した23歳のチチパス。その後はリハビリに専念し、現在開催中の「ATPカップ」(1月1日~9日/オーストラリア・シドニー/ハードコート/国別対抗戦)に予定通り出場している。

ギリシャは1日のグループDの第1戦でポーランドと対戦。チチパスはシングルス第2試合で世界9位のフベルト・フルカチュとのエース対決を控えていた。ところが試合開始直前に棄権を表明し、急遽チチパスの代役を務めたアリストテレス・タノス(1076位)はフルカチュに1-6、2-6の完敗を喫した。

一方でチチパスはその直後に行なわれたミハイル・ペルボララキス(399位)とのダブルスには出場し、フルカチュ/ヤン・ジェリンスキ組に6-4、5-7、[10-8]のフルセットの末に勝利。試合後、チチパスは「1週間のうちに100%くらいまで調子を上げていけるだろう」と右ヒジの順調な回復ぶりをアピールしていたが、多くのテニスファンから心配の声も上がっていた。
そんななか、3日に実施されたアルゼンチンとのグループリーグ第2戦でチチパスは、ディエゴ・シュワルツマン(13位)とのシングルス第2試合に登場。タイブレークの接戦の末にシュワルツマンから第1セットを奪うと、第2セットでも第1ゲームで早々にブレークに成功。だが、続く第2ゲームでブレークバックを許してからはシュワルツマンの力強いショットと粘りのプレーに苦戦を強いられ、7-6(5)、3-6、3-6の逆転で敗れた。

手術後初の公式戦でのシングルスとなったにも関わらず、ストローク戦で何度も見せ場を作ったチチパス。しかし、試合後の記者会見では「土曜日(1月1日)にダブルスを終えて、次の日はサービスが打てなかったんだ」と明かし、「痛みが少しある。明日の体調がどうなるか、本当にわからない。今までこのようなケガをしたこともない。初めての経験なんだ」と不安を口にした。

また、記者から「全豪オープンへの抱負を聞かせてください」と問われたチチパスは「今後の予定は未定だ。それ(全豪の出場)もよくわからない」とコメント。「現段階では右ヒジを100%に回復させることが最大の目標だ。今は何よりも自分の健康と幸福に重点を置いている」と締めくくった。

過去には世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)や錦織圭(47位)も右ヒジのケガに悩まされ、長期のツアー離脱を強いられた経験を持つ。それだけにチチパスには回復に努めてもらいたいところだが、全豪の出場については難しい判断を強いられることは間違いないだろう。

文●中村光佑

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