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【テニスギア講座】テニスシューズの「重さ」に着目。プレースタイル別に適した重さを見分けよう<SMASH>

トッププロは、テニスシューズの重さなど気にしなくていいくらいの強靭な脚力を持っているため、ひとえに「安定性能」を求めて選んでいる。写真:THE DIGEST写真部
テニスシューズの重さをそれほど気にする人はいません。そもそもテニスシューズの重さって何に影響があるのでしょう? 使う側にとっては、軽いほど楽でしょうが、テニスシューズはランニングシューズなどのように、めちゃくちゃ軽いものってありませんよね。

それは、ランニングは前へ走るという運動の方向性が限られていますが、テニスはあらゆる方向へ瞬間的に動かなければならない多方向性スポーツなので、その動きに則した補強が必要であり、そのためにはどうしても重さが増してしまうからです。

とはいうものの、同じテニスシューズでも重いのと軽いのとでは随分違います。現在、26.0センチを基準にして(以下同)重いもので400グラム以上ですが、軽いのは270グラムというのもあり、2/3程度に過ぎません。この違いって何なのでしょう?

自分がどのくらいの重さを選ぶかは、実はプレースタイルが大きく関連しているのです。テニスシューズは「安定系」「スピード系」「軽量系」「エントリー系」の4つに大別できます。このコラムを読むようなテニス経験のある方が求めるのは、このうち前の3つで、それはだいたい「重さ」で判別できます。明確な境界線はありませんが、筆者の感覚的には……

■安定系:360~400g
■スピード系:310~360g
■軽量系:270~310g
といった感じです。
世界のトッププロを見ると、「軽量系モデル」を履いている選手は誰一人いません。彼らの過激なフットワークを支えるには「安定系」のガッシリ感が必要なのです。また彼らには十分すぎる脚力があり、フットワークを軽快にしてくれる軽量さなど必要ないのです。

しかし、テニスクラブで長時間履いていたり、快適さを求めるベテランなどは、さほどのガッシリ感は必要とせず、適度にサポートしてくれさえいれば、軽いほど楽ですね。そのために軽量系は開発されたのです。

そしてスピード系は、その中間的ポジション。安定性能に十分な配慮をしているけれど、全体を軽量にまとめ上げているタイプで、今日ではこれが一番多くなっていますね。

簡単に言えば、ベースラインで横方向へ激しく動くプレーヤーには、重くても安定系が必要。一般的な練習や前後の動きが多いプレーヤーにはスピード系、長時間プレーヤーやエンジョイ派には軽量系という感じです。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2020年3月号より抜粋・再編集

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