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表プレイヤーのスマッシュが入らなくなったときの対処法|頭で勝つ!卓球戦術

卓球ライター若槻軸足がお送りする「頭で勝つ!卓球戦術」今回は「表ソフトプレイヤーがスマッシュが入らなくなったときの対処法」というテーマでお話していく。

前回の記事では、表ソフトプレイヤーがスマッシュを打つためにというテーマでお伝えをしたが、今回はその続きのお話だ。

スマッシュというのは非常に得点力の高い技術である。ただし、ほんのわずかな角度のズレや、タイミングによって、簡単にミスにもなってしまう。

試合の中で、それまでは入っていたのに急に入らなくなる、という経験をしたことがある選手は多いだろう。そこから立て直すことができればよいのだが、うまくできずに、そのまま負けてしまう、ということは表選手のあるあるではなかろうか。

そうならないために、今回は試合中に急にスマッシュが入らなくなったときにどうするべきか、一緒に考えてみよう。

スマッシュが入らなくなったときの対処法➀:「入らなくなった」という判断を早くする

まずとても大切なのが、試合の中で「スマッシュが入らなくなった」という判断をなるべく早くすることである。

たとえばショートサーブを出し、バックへ来たツッツキに対してスマッシュをする、というパターン。それを試合の途中で、連続で2本ミスしたとしよう。この時点で、「あ、急に入らなくなったぞ」という認識を意識的にすることが非常に大切だ。

単純にただ「ミスしてしまった」と片付けるのは簡単だ。ミスの原因を探って、次はそれを改善することが大切なのは言うまでもない。

だがしかし、スマッシュという打法の性質上、試合の中で改善をするというのはとてもむずかしいのである。「スピードドライブが入らなくなったので、ループドライブに切り替える」というようなことがスマッシュではできない。

微妙な角度のブレなのか、台との距離なのか、ほんのわずかな打球点の遅れなのか、それらを探ってすぐさまに改善するのは相当難しい。

そして、その改善にこだわっている内に、ミスが重なって試合のリズムが悪くなり、他のプレーも上手くいかなくなってしまい、結果として負けとなる。自分の意識しないところで小さな「何か」が狂ってしまい、これまで入っていたスマッシュが途端に入らなくなってしまう。これは表選手の宿命とも呼べる現象である。

なので、その現象が自らの前に現れたということを、なるべく早めに察知することだ。そして改善することにこだわらず、「ああ、スマッシュが入らなくなった」と早々に諦めて、次から述べる代替策に切り替えることが重要である。

スマッシュが入らなくなったときの対処法➁:ドライブを挟む

では、スマッシュが入らなくなったときにどうするべきか。前回の記事でもお伝えしたように、まずはドライブに切り替えることである。表でドライブを打っても、回転もスピードも出ないからあまり意味がない、という声を聞くこともあったが、もってのほかである。

たしかに回転やスピードといった威力は劣るかもしれないが、滑ったり、曲がったり、回転がかかっていないように見えてかかっていたり、表特有のいやらしさを出したドライブを打つことは誰しもが可能である。さらには相手としても、速いスマッシュを待っているときに遅いドライブが来るので、その緩急は相当やっかいであるはずだ。表のドライブは十分有効な武器になりうる。

意識としては、スマッシュを全てドライブにするというよりは、1本ドライブを挟んでからスマッシュに繋げる、という心がけでいくとよいだろう。

たとえば、サーブ→3球目ドライブ→5球目スマッシュで決める、という想定で、5球目のミスが目立つのならば、サーブ→3球目ドライブ→5球目ドライブ→7球目スマッシュで決める、というように作戦を変更するということだ。これだけでも結構自分の調子は変わってくるものだ。

経験上、スマッシュが入らなくなるケースとして多いのは、序盤はイケイケで入っていたが、中盤になるにつれて緊張してきて、だんだん足が止まってくる、その結果スマッシュが入らなくなる、といったものだ。

そういうときはミスを抑えて、なるべくラリーを長く続けるようにすることで、だんだん足が動いてきて、緊張も解け、スマッシュも少しずつ入るようになってくる。そういったケースがあることもふまえて、まずは1本ドライブをしてラリー回数を多くする、というのが最もシンプルでおすすめできる対処法である。

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