
「地元の卓球文化を絶やさないために」うえはら卓球教室が目指す“応援される選手”の育て方
居場所づくりとしての卓球教室
写真:試合でアドバイスを送る上原祐樹さん/撮影:ラリーズ編集部
――チームでの思い出や印象に残っているエピソードはありますか?
上原祐樹さん:学校に馴染めない子や家庭に居場所がない子が、教室に来てイキイキと過ごしている姿を見ると「やってよかったな」と思います。
彼らを引っ張ってくれる仲間の存在もあり、卓球が“第3の居場所”になっているのを感じています。
――地域の学校との連携なども行っているのですか?
上原祐樹さん:田舎なので中学校や高校の先生方とも密に連携できるのが大きいですね。
ご理解のある日本航空高校さんや甲府工業さんの練習に参加させて頂いて強化できている面もあります。
先生と話しながら、子どもたちにとって一番良い環境を整えるようにしています。
――どんな子に来てほしいと思いますか?
上原祐樹さん:自信をつけたい子、仲間がほしい子、何かに夢中になりたい子。そんな子にとって、この教室が支えになれたら嬉しいです。
写真:全日本ジュニアに出場した蓑田観(TC.うえはら)/撮影:ラリーズ編集部
地元の卓球文化を絶やさないために
――今後、教室をどのように発展させていきたいですか?
上原祐樹さん:立ち上げて3年弱で、卒業生はまだいません。本格的な卒業はこれからですが、全日本に出た子もおり、今後が楽しみです。
北杜市はもともと卓球文化のある地域で、先輩方が作ってきた伝統を絶やしたくありません。山梨全体で見ると競技人口もレベルもまだまだですが、まずは土台を広げるところから、全国で戦える選手を育てていきたいです。
写真:蓑田観(TC.うえはら)/撮影:ラリーズ編集部
――本業もある中で、指導を続ける原動力はどこにあるのでしょう?
上原祐樹さん:家庭と両立するのは大変ですが、子どもたちの変化や成長を見ていると「じゃあ自分ももう少し頑張るか」と思えるんです。
自分が何かを与えているというより、子どもたちから活力をもらっている感覚に近いですね。
卓球に関わることで、子どもたちにも、関わる大人にも、いい循環が生まれるようにしたい。そのためにも、指導を通して“応援される人間”を増やしていけたらと思っています。
取材・文:山下大志(ラリーズ編集長)
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