67年の営業を終えて 高田馬場・山手卓球場の最終日

「楽しかったよ」が一番の思い出

一番印象に残っていることは、と富田さんに尋ねると、少しだけ言葉を詰まらせながら、こう答えた。

「楽しかったよって言って、帰っていくお客さんたちの顔です。特に、閉めると発表してから、いろんな方が来てくれて改めてそう思います」

年明け1月から取り壊しが始まる。

ぜひ年末年始、近くに行った際には覗いてみてほしい。もう営業はしていなくても、ドアの向こうに昭和から続いた卓球台の音の余韻が聞こえるかもしれない。

その郷愁を噛み締めながら、一句。

「いつまでも あると思うな 卓球場」


写真:山手卓球場/撮影:ラリーズ編集部

取材・文:槌谷昭人(ラリーズ メディア事業本部長 兼 金沢ポート取締役)

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