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【徹底分析】世界を驚かせた大金星 世界2位下した田中佑汰の3つの勝因とは

前陣での“快帯”

中国卓球には“快帯”という重要な技術がある。

この技術は、相手の打球の威力を利用して、回転をかけ返すことで打球を伸ばし、カウンターほどのリスクを負うことなく、ブロックよりも質の高い返球をできることがメリットである。

写真:田中佑汰(個人)/提供:千葉 格/アフロ
写真:田中佑汰(個人)/提供:千葉 格/アフロ

今回の対戦で、田中は前陣における攻防で、この“快帯”を多用し、ラリー戦で相当な粘りを見せた。“快帯”そのものでは大きな得点力とならないものの、王の連打を捌き続けることで、王は田中を打ち抜けないことがプレッシャーになる。

通常、王レベルの選手が相手を打ち抜けないというケースは非常に稀であるが故に、打球時に力みが生じ、不用意なミスにも繋がることになった。上記で説明した2つのポイントが、直接王から点をもぎ取る戦術とすれば、“快帯”は得点に直接結びつかなくとも、終盤にボディブローのように効く戦術と言えよう。

まとめ

誰もが王が勝利すると予想した試合であったが、田中のクレバーなサービス戦術の転換や、実力に裏打ちされたラリー力で見事世界ランキング2位から勝ち星を上げることができた。

なお、今回のアジア選手権での大躍進により、田中はパリ五輪選考ポイント3位に浮上した。

選考終了となる全日本選手権まで残りわずかとなったが、今回を契機に更なる飛躍となるか注目したい。

文:てふてふ

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