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東京五輪、世界卓球2021などのランキングポイントがまもなく失効 世界ランキング大幅変動の可能性

国際卓球連盟(ITTF)は2022年12月、ITTF実行委員会が世界ランキング規則の変更を承認。2021年に付与されたランキングポイントが、2023年1月~5月の間に失効することが決まっている。

世界ランキングポイントが失効

2021年中に付与されたランキングポイントは、2023年1月から5月の間に一括して失効することが、ITTF執行委員会によって決まった。

選手の世界ランキングは、過去1年間に開催された上位8つの結果のポイントの合計で構成されている。

しかし近年は、2020年からのコロナウイルスパンデミックの影響を軽減するため、2021年の大会ではポイントの有効期間を延長する、特別措置が導入されていた。


写真:シンガポールスマッシュの様子:撮影:ラリーズ編集部

2022年後半からはイベント数が増加し、2023年ではパンデミック以前とほぼ同数の大会開催が予定されているため、特別措置を終了することが策定された。

このランキングポイントの特別措置終了に伴い、今年の4月4日に東京オリンピック(2021年7月〜8月開催)、5月23日に世界卓球ヒューストン大会(2021年11月開催)、7月4日にシンガポールスマッシュ(2022年3月開催)のポイントが失効となる。

馬龍(マロン・中国)
写真:馬龍(マロン・中国)/提供:WTT

この措置に大きく影響を受ける選手として、男子では、現在4400ポイントを保持し、世界ランキング2位の馬龍(マロン・中国)が挙げられる。馬龍は特別措置終了により、東京五輪で獲得した2000ポイントが、4月4日に失効する。

馬龍は2000ポイントが失効することで、3月16日現在の世界ランキング8位、2555ポイントの林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)を下回り、9位以下になることが予測される。

また日本選手では、495ポイントを保有し、世界ランキング49位の戸上隼輔(明治大)が特別処置終了の影響を大きく受けることになる。

戸上はアジア選手権2021で獲得した175ポイント、スターコンテンダードーハ2021大会で獲得した45ポイントの、計220ポイントが4月4日に失効することになる。

戸上隼輔
写真:戸上隼輔(明治大)/提供:WTT

失効後は275ポイントが残ることになり、現在の世界ランキングを基準にすると、戸上は49位から85位となり、日本選手の中では7番手となる。

女子では、現在6740ポイントを保持し、世界ランキング2位の陳夢(チェンムン・中国)が影響を受ける選手の一人となる。

陳夢は、東京五輪で獲得した2000ポイントが4月4日に失効され、現在のポイントを基準にすると、2位から4位に下がることになる。

陳夢(チェンムン・中国)
写真:陳夢(チェンムン・中国)/撮影:ラリーズ編集部

また日本選手では、世界ランキング6位、2830ポイントを所持している早田ひなが影響を受けることになる。スターコンテンダードーハ2021で獲得した600ポイント、アジア選手権2021大会で獲得した500ポイントの計1100ポイントが4月4日に失効となる。

現在のランキングポイントを基準にすると、早田は11位まで下がることになり、トップ10から外れるという状況になる。

早田ひな(日本生命)
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

高いポイントが付与される東京オリンピックでのポイントが4月4日に失効することで、世界ランク上位の選手数名の大幅な世界ランク変動や、また東京オリンピック以降の大会で大きな実績を残した選手の世界ランク上昇が見込まれる。

オリンピックと同等のポイントが付与される、3月19日に最終日を迎えるシンガポールスマッシュ2023の結果も、今後の世界ランク変動に大きな影響を与えることになるだろう。

なお、2023年7月4日から付与される世界ランキングポイントは、ITTF世界ランキングポイント規格に則い、1年間有効となる。

文:ラリーズ編集部

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