＜天皇杯・皇后杯 2023年全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部） 日時：1月23日～29日 場所：東京体育館＞
29日、全日本選手権は大会7日目を迎え、女子シングルス決勝で早田ひな（日本生命）が木原美悠（JOCエリートアカデミー/星槎）にゲームカウント4-2で勝利し、3年ぶりのシングルス優勝と、自身初の3冠を達成した。
試合後、早田が報道陣の質問にオンラインで答えた。
早田ひなコメント
3冠を達成した気持ちは
素直に嬉しいですし、やりきったなって思っています。
決勝を振り返って
0−2になるまで自分の調子は悪くなかったんですが、それ以上に木原選手が負ける覚悟で思い切って攻めてきたので、自分の中でプレッシャーがかかっているって感じました。
そのときに「逆にこれで勝ったらすごいな」って思いながら3ゲーム目に入ったので「人間誰でも負けることはあるから、負けても大丈夫」っていう気持ちで試合して、それが最後までうまくいったと思います。
技術面と戦術面に関しては
あれだけ相手が思い切ってプレーしていたので、レシーブもラリーも相手は丁寧なプレーから始まっていたので、自分が凡ミスをしないことをまず意識していました。そこから回転量で操ったりとか、攻める時は攻めるとか、そういうバランスを考えながら試合していました。
苦しい中でもサービスが効いてたのでは
あれだけサービスが効いたのはすごく自信になります。でも、前半はサービスのコントロールがうまくいかなかったので、サービスの質を落として（難易度の高いサービスを出そうとせずに、簡単なサービスでもいいから）とにかく低く、わかりにくくサービスを出すことを意識してたので、そこでうまく戦術を変えることができて良かったです。
第4ゲームは6−6から2連続でサービスエースを取ったが
完全に相手の読みを外したのと、低く出したことで相手にプレッシャーがかかってレシーブミスをしたのかなと思います。
1本目をレシーブミスした時に、木原選手は「2本目は狙っていこう」と多分考えていたと思うんですが、そこで自分が完全に100%狙っていた高さと長さでサービスが出せたので、相手は攻めたいところで攻められなかったのかなとい思います。
追われる立場について
今回も常に追われている状況で、実際に決勝戦も負けかけているんですけれど、0−2からひっくり返せたり、その時々の試合で自分の中で「ハマったな」と感じられたりするところに自分は楽しさを感じているので、その楽しさは絶対に忘れてはいけないですし、これからもその楽しさを突き詰めていって、どんなに追われる状況でも自分の卓球を貫けていけたらいいかなと思っています。
去年は「全て変わった早田ひなを見てほしい」と言っていたが
そうですね。（その成長が）発揮された結果、今回3冠が取れたと思います。
フォームの修正や試合の進め方など、常に進化することを自分の中で心がけているので、自分が一回りも二回りも上手くなっているのかなと今回の全日本を通じて思いましたし、昨年のTリーグの個人戦から、相手によっていろんな戦術を使っていろんな質のボールを出していったり、自分をコントロールして変えることができるようになったことがよかったと思います。
フォームの修正とは
回転をかけるのは元々得意なので、回転をかけながらコントロールして高さを調節できるように、打点を落としたところから高いボールと低いボール両方を打ったり、打点をちょっと上げたときにネットすれすれの高さのボールとナックルドライブを使い分けたりといったように、同じタイミングでも球質の違うボールを出しています。
準決勝では石川選手に勝利したが
石川選手は私が卓球を始めた時からずっと強くて、全日本にも何度も出場して常にランクに入りを続けている選手です。世界選手権の団体で一緒になっ時に、「試合で勝つことでチームを引っ張っていく」という印象があったんですけど、試合以外の部分でもチームをまとめたり、コミュニケーションを取るのが上手いなというのは感じていました。
代表の団体戦では「チーム一丸となってみんなで頑張ろう」って言ってくれるので、そう言った部分で石川さんが全日本にいてくれることは、私たちにとって大きいかなと思います。
初めてお客さんが大勢いる中で優勝できたことについて
たくさんのお客さんに来ていただいて、応援してくださる一人一人に「ありがとうございました」って伝えたいです。2階席も3階席もたくさんの人がいて、みんなが全力で手を振ってくれて「おめでとう」って言ってくれたのが嬉しかったですし、その期待に応えられる3冠をこの場で達成できたことには、すごく意味があると思います。
今まで自分自身の中でブレていないことは
（コーチの）大輔先生には中学3年から見てもらっているんですけれども、「自分はその技術ができるのか」、「それを練習すべきか練習しなくてもいいのか」、「やったほうがいいかもしれないけれどそれは私に合うのか」っていう判断は大輔先生とのコミュニケーションや関係性があることで、自分の卓球が常に保たれてここまで上がってこられたと感じています。
チームひなのトレーナーさんや練習相手をしてくれている方と話し合いながら積み上げてきたのが今の自分なので、これが完成形じゃないんですけれども、自分の持ち味を消さずにここまで来れのは、大輔先生やチームひなのみんなが、（私のことを理解していて）私の強みを生かすのが上手いからかなって思います。
今後の目標は
ここからTリーグが始まっていきますが、Tリーグの対戦相手もどんどん向かってくると思うので、また今回の反省も活かしながら自分の最大限の力を発揮して、さらにレベルアップしてTリーグそして国際大会臨みたいです。直近での目標は、世界選手権のシングルスで最低限ベスト4には入りたいと思っています。
勝っても負けても（その経験は）パリ五輪の選考レースに活きると思うので、1試合1試合を無駄にしないように日々過ごしていきたいです。
文：ラリーズ編集部
Follow @ssn_supersports
