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亡き父の思い
“まだまだ収益面は厳しいんですが”と宇佐美氏は断りつつ、卓球場のお客さんや父兄の紹介で、近隣の学校との取引も始まるなど、卸業と卓球場との相乗効果は生まれ始めている。
「年配の方の本当に元気で楽しそうな様子や、子どもたちがある程度成績残せるようになっていく過程は、自分の楽しみになっています。収益も大切なんですけど、そればかりじゃないなって」
写真:越谷卓球センターで卓球を楽しむお客さんたち/提供:宇佐美洋司氏宇佐美氏は、前社長の亡き父が「卓球場を作りたい」と土地まで探しながら、ついに叶わなかったことを時々思い出すと言う。
その理由をいま実感していますか、と聞いてみると「いや、まだアップアップです。子どもたちも成績が残せるようになって、地域に広まっていって、それからでしょうね」と控えめに笑った。
コーチ業はこの先も続けますか
さて、最後に。
猿田氏、念願の卓球コーチとしての仕事は、どんな日々か。
基本的に昼12時くらいから夜9時まで、教室や個人レッスンが入る日々だ。
現在はコロナ禍で中学校の部活動がままならないぶん、特に中学生教室を2時間枠に伸ばして力を注いでいる。
写真:猿田文洋コーチ(越谷卓球センター)/撮影:槌谷昭人
写真:越谷卓球センターで練習する中学生たち/提供:宇佐美洋司氏「体力的には辛いときもあるので、ストレッチして寝ることで次の日に疲れを残さないようにして、あと休みの日はしっかり寝てます」
——改めて、卓球コーチ業で大切なことって何だと思いますか。
「サービス業でもあり接客業でもあると思うので、技術ももちろん大事だと思うんですが、それよりも明るくお客様と対応しているのが一番大事なことだと思います」
そして、聞きたかった質問をぶつけてみた。
——卓球コーチ業、この先もずっと仕事にしていくつもりですか。
「はい。そうですね」
その日のインタビューの中で、もっとも自信を持って言い切った。
それ以上、何か聞くことがあるだろうか。
何の変哲もない、小さな卓球場の仕事をめぐる話だ。
写真:越谷卓球センターの宇佐美洋司氏(左)と猿田文洋コーチ(右)/撮影:槌谷昭人(終わり)
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