• HOME
  • 記事
  • 卓球
  • パリ五輪卓球日本代表は国内選考会含むポイント制 宮﨑強化本部長が考え語る

パリ五輪卓球日本代表は国内選考会含むポイント制 宮﨑強化本部長が考え語る

シングルス選考ポイント

オンライン会見中に示されたシングルスのポイント表は以下。

資料
写真:パリ五輪選考ポイント資料/提供:オンライン会見中の資料よりRallys×パンダーニ コラボユニフォーム登場 オンライン限定販売## 宮﨑義仁氏コメント

宮﨑義仁
写真:日本卓球協会強化本部長の宮﨑義仁氏/提供:ラリーズ編集部最後に宮﨑氏は、報道陣からの質問に答えた。

選考基準を作る過程で苦労した点(スケジュールについて)

国際大会がなかなか開催されない中、国内でみんなで争う場を設ける方が絶対競技力が上がるという確信は、ほとんどのスタッフが思っておりました。

ではどのようにスケジュールを作っていくか。一流選手が出ないであろう谷間のスケジュールを狙って作っていきました。

しかし、ITTFおよびWTTが(国際大会の)スケジュールを発表するのが最近では大会直前になっています。ITTF、WTT対して、「できるだけ偶数月に国際大会をやってくれ。我々は奇数月に試合を計画するから」と伝え、3月、7月、11月に計画をいたしました。この個々の(選考会の)スケジュールは伝えており、「この日程にぶつけない限り日本はすべての大会に出られます」と伝えました。

「ITTFは偶数月に国際大会をやるという発表をすれば、226の国と地域は安心して国内大会を奇数月に計画できる」と伝えております。そのようにはならないと思いますけど、そういう風になることを願って奇数月に計画をしました。

選考基準を作る過程で苦労した点(その他)

一番苦しかったのは、現時点で伊藤美誠選手(スターツ)がTリーグに加入していないというところでした。1人の選手を(選考の一部から)外すようなことにならないかということを悩みました。ですから、(伊藤がTリーグに参加していない)今年から選考をスタートすることはできません。

来年の9月のTリーグからスタートすることで全ての選手に契約する期間のチャンスを待つ、という考え方をいたしました。

逆に今季契約している選手も来季契約しないかもしれません。そういう選手はTリーグに出ない限り、ポイントが(得られない)。1ポイントと2ポイントですけど、小さな積み重ねが最後生きるかもしれませんよね。

そういう意味では契約してない選手には申し訳ない気持ちもありましたけど、国内の競争を激化して、国内でみんなで切磋琢磨しようとしたときには、何とか100試合近くあるTリーグの試合に参戦いただいて、みんなで磨き合ってもらいたいなという思いで、この選考の考え方を決めていきました。

一番苦しかったのはそういうところですかね。

選手から出た意見で反映した点

第1回選考会出場基準のところで、(7)令和3年度全国高校総合体育大会シングルス優勝者がホープスより上に来ていますよね。年の若い方を上にするということだったので、本当であればこれは(10)のカデットの下に置いてたんですよね。

ところが、今年のインターハイのチャンピオン2人は、世界ユースが12月に行われるわけですけど、世界ユースも世界ランキングが高い者しか出られない。インターハイで優勝したのにシングルスに出られないで団体戦しか出られない。

インターハイチャンピオンになってもユースの世界大会にはシングルスには出られないということもあって、選考会の順位を繰り上げさせていただいた。その1箇所だけです。

若い選手の優先順位を上にする狙い

パリ五輪に出るのは、(選考会)上位ベスト16を引き続いた選手で、その中で上位の1位、2位になって、世界選手権とかアジア競技大会に選ばれた選手が(国際大会でも)ポイントを獲っていきます。

ですから、32人の中で1回戦で負けた選手が、五輪の代表になると言うことは考えられません。ベスト16に入った中のトップの1,2名が五輪代表になるわけです。17~32位の選手というのは、育成する選手だと私は思っております。

次のロサンゼルス五輪、2030年の五輪を考えたときには若い選手を絶え間なく使いながら、強化していくことが将来を考えると非常に重要かなと。

Tリーグ個人戦について

トーナメントで順位決定もあります。ただし、ベスト8、ベスト16は順位決定戦を行わないです。通常の選考会は32名で行われますけど、Tリーグの個人戦は16名で行うのが基本となっております。具体的な素案はTリーグの中で決定して、12月の理事会までに日本卓球協会に提出するということになっております。

Tリーグが選考のポイントに入ることは、Tリーグに参加していない選手や所属先から意見はなかったのか

今のところ5回ほどの会議を経てきているが、一言も異論はございません。

その他ポイントについての意見

ポイントについて、国際大会のポイントが高くはないかという意見は1つありました。

「国内の選考会でもし落ちて、国際大会に出た選手に高いポイントを獲られたらもう追いつけない」という意見でしたけど、私としては国内の選考会を経て、代表として出て、国際大会で活躍する、そういう選手だけが五輪に出られると思っています。

国内でも勝てて、国際でもさらに勝った選手を選ぶには、国際大会のポイントも高く位置付けたほうが良いと思ってこういう設定をしていると説明し、納得していただきました。

東京五輪で選手たちは選考レースで疲弊していたという話もあったが

疲弊というのは当てはまらないと思います。あの激化した強化のおかげで、私は代表になった選手は強くなったと思っています。

確かに疲弊という言葉も出す人もいらっしゃいますけど、私はあれ(東京五輪選考レース)は強化の積み重ねだと思います。体力もメンタルも相当鍛えられた。その結果が東京五輪での好成績に繋がったと思っております。

五輪団体戦のシードに関しては、世界ランキングが重要になるのではないのか

選考会を経て、国内で代表を獲って、国際大会でも良い成績を残した選手が(選考ポイントの)1位、2位になってくると思いますので、自然と世界ランキングの高い選手が代表になると思っています。

また、WTTの大会にはすべて参加する考えを持っておりますので、世界ランキングが下がるという考えはございません。

ただし、選考会を勝ち抜いた2人が、日本人の世界ランキング最高ランキングとなるかと言うと、そうではない可能性もあります。ただし、国内の選考会と国際のポイント合計で争いますから、国際のポイントも相当高くないと(パリ五輪選考)1位、2位には入れない。すなわち、世界ランキングの高い選手が選ばれるという見込みを現時点ではしております。

関連記事

>>パリ五輪卓球日本代表選考方針発表 Tリーグ含む国内選考会中心のポイント制を導入

【検証】水谷隼相手でも卓球ゲームならさすがに勝てる説

関連記事