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「もう一度全国でランク入りしたい」京都大・多田、格上選手に勝つための思考法

卓球×インタビュー 「もう一度全国でランク入りしたい」京都大・多田、格上選手に勝つための思考法

2021.08.08 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)
“文武両道を極める男”多田浩嗣は、大阪一の進学校、大阪星光学院高校に通いながら、インターハイで男子シングルスベスト32まで勝ち上がった。

高校卒業後は、1年間、神戸大学に籍を置きながら勉強をし、晴れて京都大学に入学。現在4年生となった。

インタビュー後編では、多田の用具のこだわりや思い出の一戦、今後の目標を聞いた。

多田浩嗣
【多田浩嗣(ただ こうじ)】大阪府出身。左シェーク前陣速攻型。育徳クラブで卓球を始め、小学6年生から王子卓球センターでプレー。大阪一の進学校である大阪星光学院中高に通いながらも、王子サーブを武器に全国で活躍。全国高校選抜2部シングルス優勝、2016年インターハイ男子シングルスベスト32の実績を誇る。現在は京都大学卓球部に所属。物理工学科4年生。>>1日2時間の練習でインハイベスト32 “文武両道を極める男”京都大・多田、卓球と勉強両立の秘訣

このページの目次

  • [5 王子卓球クラブ・作馬氏のインタビュー]()

用具のこだわり ラケットは215g

多田用具
写真:多田浩嗣(京都大学)の用具/撮影:ラリーズ編集部——多田選手は、戦型的には左シェーク異質型という説明で良いんですかね? 多田浩嗣:左シェーク異質型なんですけど…。異質というのは嫌なんで、「左シェーク」だけで止めたり、速攻まではいかないんですけど「前陣速攻」と言ったりしてます。 ——なぜ「異質」と呼ばれるのは嫌なんですか? 多田浩嗣:変化で相手にミスらせようというより、変化で崩して自分で決めに行くのがやっぱり大事だと思っています。特に大学生ぐらいになってくると変化だけだと勝てないですし、ラバーで勝ってるみたいに思われるのがあんまり好きじゃないです。 あとはラバーが何を使ってるかバレないのも良いです(笑)。一時期はアンチラバーも使ってました。

多田浩嗣
写真:多田浩嗣(京都大学)/撮影:ラリーズ編集部——アンチを使っていたという噂、昔耳にしました(笑) ずっとバックは異質ラバーを使ってるんですか?

多田浩嗣:昔は裏裏で後ろの方で繋いで、ラリーする戦型だったんですよ。 小学校6年生の全国大会の前に、バック面を異質に変えました。この先ずっと勉強していかないといけない中で、それでも試合に勝っていこうと思ったら、何か違うことしないといけないとなって、裏じゃないラバーにしました。

そこから戦型も大きく変わって、サーブ3球目特化型のような僕の戦型が始まりました。今思うと、そこが転機ですね。

——ラバーの個別の名前は良いんですが、その他、用具について何か特別なこだわりはありますか? 多田浩嗣:ラケットの重さですね。今215gぐらい重さがあるんですけど、とにかく重いのを使うようにしてます。——裏裏ではないのに200g越えてるんですか? 多田浩嗣:ラケットだけで100g前後あります。 写真:多田浩嗣(京都大学)の用具/撮影:ラリーズ編集部
写真:多田浩嗣(京都大学)の用具/撮影:ラリーズ編集部——なぜ重い用具を使うのでしょうか? 多田浩嗣:重いとブロックが安定するのと、自分のドライブの威力が出る。回転量もしっかりかかって、相手がちょっと嫌がってくれるのかなと。 軽く飛んでいくボールじゃなくて、ちょっと沈むような重いボールを出せるように意識しています。

——他に何かこだわりの卓球ギアはありますか? 多田浩嗣:この左手に巻いてるサポーターです。 中2のときに手首を疲労骨折して、病院に行くと「折れてひっついてを何度も繰り返してるから、もうこれ以上は治りません」と言われました。そこからサポーターがないと痛くて卓球できない時期がしばらくありました。

最近は骨もひっついたらしいのですが、サポーターがないとしっくりこない。卓球するときの一部になってます。

多田浩嗣
写真:左手首にはサポーターを巻いている/撮影:ラリーズ編集部

思い出の一戦は「松山祐季とのインターハイ4回戦」

写真:多田浩嗣(京都大学)/撮影:ラリーズ編集部
写真:多田浩嗣(京都大学)/撮影:ラリーズ編集部——これまで数々の全国大会に出てきたと思いますが、一番印象に残っている試合は何でしょうか? 多田浩嗣:高校3年生のときのインターハイ、男子シングルス4回戦で松山祐季選手(現・協和キリン)と試合したのはすごく印象に残ってます。 ——なぜですか? 多田浩嗣:松山選手とは過去全国大会で何度も当たってるんですよ。インターハイも組み合わせを見た時は運命だなと思ったんですけど(笑) 松山選手はずっと一流のところで卓球を続けていて、僕は勉強しながらですが頑張って卓球をやってて、どれだけ強い相手とやっても、サーブと3球目は通用する自信がありました

最初は通用したけど、やっぱり対応力も上だし、最後は効かなくなりました。4ゲーム目9-9で、僕がサーブ2本持ってたんですけど、落として1-3で負けてしまいました。

写真:多田浩嗣(京都大学)が得意とする王子サーブ/撮影:ラリーズ編集部
写真:多田浩嗣(京都大学)/撮影:ラリーズ編集部多田浩嗣:なので、サーブと3球目が対応されてきた後どうするのか。 もう1度サーブと3球目を工夫するのか、3球目打った後5球目を頑張って打つのかなど、今後格上の選手に勝つにはどうやっていくかを考えるきっかけになったのと、サーブ・3球目は通用すると自信は持てたので、印象深いです。

——大学に入って、少し練習時間も増えたと思いますが、格上に勝つための考えはどうなりましたか? 多田浩嗣:3球目のあとの5球目までは頑張って打てるように練習しました。大学生相手だと、3球目だけだと決まらなくなって、しっかり連打できるようにすごい練習しましたね。あとはコースです。3球目とサーブのコースをしっかり意識して、相手も見ながらしっかりコースを狙う。自分の打ちたいところに打つんじゃなくて、打つ直前に相手を見て打つコースを狙えるようにする練習を意識してやってます。

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