試合の当日朝にやっておくべき身体の準備|頭で勝つ!卓球戦術
2021.05.29 文:若槻軸足(卓球ライター)
卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」
今回は大切な試合の日の朝にする準備というテーマでお話をしていこうと思う。
誰しも競技を続けていれば、ここ一番の大切な試合というのがあるはずである。そんな日に自分の力の100%を発揮するために大切なのが、朝の準備である。もっと言えば、その日の1試合目のための準備だ。
やはり誰しも1試合目が一番緊張するし、身体や頭のキレも悪い。頭も身体もフルスロットルで爆発させ、最高のスタートを切るためにはどうしたらいいのか、一緒に考えてみよう。まず今回は、「身体」の準備についてだ。
このページの目次
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やっておくべき朝の身体の準備:ラケットを使わないウォーミングアップ
ランニング
まずはシンプルに走るということだ。走るということのメリットは計り知れない。まず凝り固まった体をほぐし、血流を良くする効果があり、体内の機能が活性化されていき、その結果パフォーマンスが上がるのだ。
さらに体を動かすことで、セロトニンという物質が脳に分泌される。これには自立神経を整える効果があり、心を落ち着かせてくれる働きを持つ。身体の動きを良くするためだけでなく、緊張した気持ちや不安な気持ちを払拭するためにも、ランニングは非常に効果的というわけだ。試合会場に少し早めに着いて、体育館の周りを軽く走ってみることは非常にオススメである。
さらに、走っている最中は思考の整理にもうってつけだ。次回の記事でお伝えする、「頭の準備」をランニングしながら行うことができれば完璧だろう。もちろん走っているときは何も考えず、ただただひたすら無心で走る、というのも、頭の中がスッキリして晴れた気分になる。その日のコンディションに応じて使い分けると良いだろう。
シャドープレー
続いておすすめなのがシャドープレーだ。単純な素振りではなく、しっかりと頭の中で実際の試合をイメージしながら、そのプレーを素振りで行うのだ。
たとえば、自分がバック前に短い下回転のサーブを出す→バックへ来たツッツキを回り込んでクロスへドライブをする→ストレートにブロックされたのを飛びついてドライブする…
といったように、実際に自分が行う展開を頭でイメージして、その通りに体を動かすのだ。
実際と同じように体を動かすことで、試合で緊張して体が思うように動かない、といったことをある程度防ぐことができる。ただし夢中になりすぎると危険な場合もあるので、周囲の環境には十分注意しよう。
やっておくべき朝の身体の準備:練習時間で気をつけるべきこと
バッククロスから始める
続いて、開会式が始まる前の練習時間での気をつけるべきポイントについてお伝えする。
まず練習は必ずバッククロスから始めることをオススメする。試合では間違いなく卓球台の数よりも参加人数の方が多いので、他の選手もクロスで入っての練習になることがほとんどだ。
このときやはり、フォアクロスよりもバッククロスで練習をするほうが絶対に良い。卓球のラリーはほとんどがバッククロスから始まるからだ。誰も使っていない台を取れたとしても、その後に4人、あるいはそれ以上で練習することになるのを踏まえて、まずバッククロスを取るようにしよう。
なるべくラリーを続ける
試合前の練習時間は限られている。ボールをたくさん使うこともできないので、実際に球を打っている時間はほんのわずかだ。
なので球拾いをしている時間をなくすために、極力ラリーを長く続ける意識を持とう。そのためには攻撃をするときもフルパワーで打つのではなく、いつもより威力を落として、6割~7割くらいの力で打つようにしてみよう。
威力を落とせば打つ側もブロックする側もミスが減り、多くの球を打つ事ができる。足をたくさん動かすことにもつながるのでオススメである。
なるべく早くサーブからの練習に切り替える
基礎打ちの段階である程度単独の技術の練習ができたら、なるべく早くサーブレシーブからの練習に切り替えよう。
言わずもがな、このあと行う試合は全てサーブとレシーブから始まるからだ。
単独の技術、たとえばフォアドライブの練習をするのでも、実際に試合で使うサーブを出して、レシーブしてもらった3球目をフォアドライブ、といった練習の方がより実践的なのは言うまでもない。とにかく試合に近い形で練習をするのだ。
得意な戦術の練習をする
試合前には得意な技術、得意な戦術の練習をするべきだろう。
本番の直前に苦手なことを克服する練習をしても、急に上手くなるわけがない。自分のお決まりのパターンを確認しながら気持ちを高めていこう。上手くいけば、自信も高まりメンタル的にも充実するはずだ。朝に苦手なことの練習をするのは、私としてはあまりオススメしない。
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