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用具の進歩が子どもの卓球を変えた

小学生の都道府県代表チームが日本一をかけて戦う「ロート製薬杯 第40回全国ホープス卓球大会」が、8月13日~15日に東京体育館で行われた。3日間の激闘を見届けた大会の競技委員長は、都内で卓球用品店を営む唐橋卓球株式会社の唐橋和之社長だ。卓球用品の進歩と共に、子どもたちの卓球が変わってきていると話す。(取材・文/二株麻依)

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「中ペン」人口増加中

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写真:「ロート製薬杯 第40回全国ホープス卓球大会」競技委員長 唐橋和之さん

ーー今回の大会を通してどんなことを感じていらっしゃいますか。

唐橋和之(以下、唐橋):全体的に見ると、世界でもかなり勝っていける強さがあるんじゃないかなと思います。ここ数年、小学生の実力がすごいですよね。このまま順調に中学、高校、大学、社会人と進むと思われるので、この先の日本にかなり期待できるんじゃないですかね。

ーー子どもたちが使っている卓球用品について気になったところはありますか。

唐橋:今ラケットは「シェイクハンド」が全盛なんですけど、中には「ペンホルダー」で裏面にもラバーを貼った中国式ペン(通称「中ペン」)を使う子が少しずつ増えてきたかなという気がします。今までペンっていうと、片面しか使わない日本式が多かったんです。でも世界で活躍している中国人選手が両面使える中国式を使っているので、子どもたちがそれに憧れてか、ちょっと増えたかなと。全体の1%とか2%とかそういうレベルですが。シェイクが今までは100%に近かったので、それにペンが少し食い込んできたかなっていう感じです。

中国式ペンを使う選手,全国ホープス,卓球
写真:中国式ペンを使う伊藤虎大朗(つばめジュニア)
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写真:裏面を使う様子

用具の進歩によって速い卓球に

ーープレーの面ではどうでしょうか。

唐橋:やっぱりラリーがよく続いていると思います。用具が進歩したため、返ってくるボールも速いですが、それによく対応していますね。ここ10年近くになるのかな、今は非常に速い卓球。昔と違ってスイングも小さくなって。用具の性能が良いから小さく振るだけで良い。その辺はちょっと昔と違いますよね。

ーーボールが弾みやすいラバーやラケットが増えたということですか?

唐橋:そうです。ほぼ攻撃用なんですがね。でも守備用(カットマン用)にも、良いんですよ。昔のカットマンは守備だけやっていましたが、今は攻撃しないとなかなか勝てない時代なので、カットマン向けにも、球のスピードが出るようなラケットやラバーが多いですね。まずはスピード、それから回転量が求められています。攻撃マンもカットマンにも共通することです。

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