「W杯」サウジアラビア、アルゼンチンに大金星、勝利の鍵となった「最終ライン高さ」を日本も実行できるか
吉田麻也(Photo by Pablo Morano/MB Media/Getty Images)
11月22日、カタールW杯C組の「アルゼンチン対サウジアラビア」の一戦が行われ、2-1でサウジアラビアが勝利した。
FIFAランキング51位のサウジアラビアが優勝候補のアルゼンチンを破る大金星を挙げた。
勝利の鍵となったのは、サウジアラビアが試合終了まで保ち続けた「最終ライン高さ」だ。
サウジアラビアは勇気を持ち最終ラインを高く設定
前半早々にPKを与えメッシに得点を許すなど、敗戦濃厚に思われたこの一戦だったが、サウジアラビアの「勇気」が勝利を手繰り寄せた。
なんとDFの最終ラインを思い切って高く設定し続けたのだ。
前半、何度もアルゼンチンのスルーパスが通りあわや失点といった場面もあったが、ことごとくオフサイドを取った。
最終ラインのDFの誰か1人でも臆病になり1メートル(いや50センチでも)ラインを下げたら、追加点を取られていただろう。
サウジアラビアの凄さは、その勇気ある高い最終ラインを試合終了時まで保ち続けたことだ。
サッカーを良く知る者であればあるほど、アルゼンチン相手に最終ラインを高く保つことがいかに困難なことかが分かるはずだ。
前線や中盤の選手たちも、下がり過ぎず適度な位置でプレスを掛け続けた。
メッシが精彩を欠いたのも、ある意味必然であったと言えるかもしれない。
日本代表は23日のドイツ戦でサウジアラビアと同じように最終ラインを高く保てるか注目
日本代表も、この試合のサウジアラビアの様に最終ラインを高めに設定し、前線や中盤と連動し激しいプレスを掛けていくはずだ。
しかし、見事としか言いようがないサウジアラビアのライン設定を、はたして日本代表は再現することができるのだろうか。
不安要素はやはり吉田麻也か。
相手のロングボールをヘディングで跳ね返す強さは日本屈指だが、裏へのスルーパスに対するスピード不足、そしてラインを下げてしまう癖がある。
もしもサウジアラビアと同じような戦い方をするのであれば、「板倉-冨安」というスピードと勇気のある若きCBコンビが最適だろう。
しかし、直前の練習でもコンディションは良さそうであり、何よりキャプテンである吉田は、十中八九スタメンで出場するはずだ。
ドイツ戦は久保建英や鎌田大地といった前線のスター選手たちに目がいきがちだが、「吉田麻也の最終ラインの設定」にも注目だ。
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