サッカー日本代表のラストピース、冨安健洋は北中米W杯に間に合うのか

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写真:冨安健洋(PA Images/アフロ)
ブラジル代表に勝利し士気が上がっているサッカー日本代表だが、チーム力をUPさせる要素はまだ残されている。

「負傷者の復帰」

遠藤航や板倉滉、三笘薫、久保建英、町田浩樹、伊藤洋輝、高井幸大、守田英正らが日本代表に復帰すれば、強豪国にも引けを取らない戦力となるだろう。

もしも現在戦列を離れている代表選手たちが復帰しトップコンディションをのまま北中米W杯を迎えられれば、ベスト8以上も現実的な目標となるはずだ。

復帰が期待される多くのメンバーの中には、「日本サッカー史上最高のDF」と評価されている冨安健洋(無所属)もいる。

長らく戦列を離れているためW杯出場は現実的ではないが・・・

昨季6分間の出場のみとなりアーセナルを契約解除となった冨安だが、未だ所属先が決まらず正確な復帰時期も決まっていない。

こうした経緯を踏まえると、冨安が北中米W杯に出場できる確率は低い様にも思えてしまう。

しかし、その確率は決してゼロではない。

これまではアーセナルの医療チームの監視下に置かれていた冨安だが、今夏は日本国内のスポーツ科学施設「JISS」でじっくりとリハビリを進めており、これまでとは違った流れで復帰を目指している。

焦る気持ちを抑えながら治療とリハビリを続け、再発しないような身体の使い方なども身につけているはずだ。

当初の予定通り年内の復帰が濃厚であり、2026年1月からは新たに所属するクラブで徐々に出場時間を増やしていくことになるだろう。

慣れ親しんだプレミアリーグになるのか、過去にプレーしたことがあるセリエAもしくはラ・リーガ、ブンデスリーガといったトップリーグになるのかはまだわからないが、しっかりとコンディションを高められれば再び輝くことはできるはずだ。

北中米W杯は2026年6月11日~7月19日の期間で行われる。

各国のリーグ戦最終節は5月中旬~下旬となるため、シーズン終了後にW杯が行われることになる。

そのため、クラブ側から強く参加を拒否されるリスクもないだろう。

問題は復帰からW杯までの期間が短く、「冨安が日本代表の戦力となれるのか」といった部分ではないか。

1月~5月の期間で一度でも数週間以上の怪我を負えば、その時点で「回復したとしても戦力としては計算できない」と判断される可能性は高い。

1月、2月で途中出場や数試合に1回のスタメン出場を経験し、3月以降に連戦をこなせるようになるのであれば、日本代表の戦力としてカウントできるかもしれない。

しかし、ただ所属チームで出場できれば良いというわけではない。

クラブで高いパフォーマンスを披露するのは当然であり、インターナショナルウィークに行われる日本代表の試合にも参加し、「やはり冨安が必要だ」と思わせなければならないわけだ。

そのため、冨安の北中米W杯への道は現実的にかなり険しいと判断できる。

果たして冨安はW杯本番のピッチに立つことができるのか、今後の動向に注目だ。