久保建英,サッカー

日本代表のワントップ問題、4年後に向けたゼロトップという選択肢

写真:久保建英(提供:なかしまだいすけ/アフロ)
日本代表のカタールW杯はベスト16で終わったが、やはり大きな問題となったのが「ワントップのクオリティ」だ。

レヴァンドフスキやベンゼマ、ケイン、ハーランド、ルカクのようなワールドクラスのCFを輩出できていない日本では、いかにそういった選手を育てることができるかが重要な課題となっている。

世界と対等に戦える2列目と3列目と比べCFのレベルが低い

日本代表のストロングポイントは、長らく2列目や3列目だった。

中田英寿や中村俊輔、小野伸二、稲本潤一、香川真司、本田圭佑、三笘薫、堂安律、久保建英、遠藤航など、世界の一流レベルに遜色ない選手たちも多く輩出している。

しかし、CFというポジションに関しては、世界との差はかなり大きいままだ。

三浦知良や高原直泰、柳沢敦、久保竜彦、大迫勇也など、能力のある選手は多かったが、世界のトップと比べるとやはり大きな差があった。

カタールW杯でも、前田大然や浅野拓磨が1ゴールずつ記録したが、やはりその実力は世界のトップとはワンランクもツーランクも下だった。

ゼロトップを伝統とする選択肢

2020年代のサッカー界では、「偽9番」とも言われる「ゼロトップ」がよく使われるようになっている。

冒頭で挙げたようなワールドクラスのCFがいればそのままワントップを置く形でもOKだが、そういった選手がいないチームでは、あえてゼロトップを採用することで勝率を上げている。

実際にはFWの位置に誰もいないというわけではなく、スタートはワントップの位置にいながらも、攻撃時に中盤に下がりながら組み立てに参加し、その他の選手がエリア内に入り込んでいく。

これによって、中盤に厚みが生まれポゼッションも高まり、2列目からの飛び出しによって相手Dfもマークに付きにくくなる。

まさに日本にピッタリな戦術だと言えるだろう。

野球界の大谷翔平の様な身体能力抜群な規格外のFWが現れればCFとして起用できるが、残念ながらその可能性は低い。

日本では、中盤に降りてパスをさばけるタイプのFWが非常に多いため、ゼロトップを継続的に採用するのも「あり」ではないだろうか。

世界でもゼロトップを武器としている国はほぼないため、「日本が世界に誇る戦術」として戦えるはずだ。

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