
高井幸大(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
サッカー日本代表は現在「史上最強」との呼び声も高いが、長期間主力選手が固定化されており若手選手の突き上げという課題が大きくなっていた。
W杯アジア最終予選の第9節、第10節で鈴木淳之介や鈴木唯人、佐野航大、三戸舜介などが起用され、ある程度のインパクトを残したが、残念ながら主力組を脅かすレベルとはいえなかった。
そんな中、20歳の高井幸大(川崎フロンターレ)は唯一23歳以下の若手選手としてW杯でスタメンを奪える可能性がある存在だ。
伸び盛りの高井幸大に今必要なものとは
もしもW杯が3年後、4年後であるならば、「あと1年はJリーグでプレーし身体を作り語学の勉強を進めるべき」といえるが、北中米W杯は1年後となっている。
このままJリーグでプレーを続けたとしても、北中米W杯のメンバーに選ばれる可能性もあるが、正直なところスタメンとしてはプレーできないだろう。
もしも主力CBの誰かしらが負傷離脱しチャンスが回ってきたとしても、「高井は世界の強豪国相手に頼もしいな」と思うような活躍はできないはずだ。
それほど日本代表のスタメンとしてW杯で活躍するのは難しいといえる。
Jリーグでプレーしていては、ワールドクラスの選手やチームと対峙した際に差が出てしまう。
クラブW杯に参加している浦和レッズ(J1リーグで現在5位)が2連敗し1試合を残してグループ敗退をしている状況を踏まえれば、才能ある若手選手はある程度実績を積んだならば欧州クラブに移籍すべきということがわかるだろう。
そう、高井に必要なものは、「欧州クラブの一員としての経験」だ。
確かにリスクはある。
欧州のクラブに移籍しスタメンを勝ち取れなければ、出場機会が激減し成長の鈍化や試合勘の欠如といったことになりかねない。
しかし、それでも高井は今夏欧州クラブに移籍すべきだろう。
高井個人のキャリアからすればフロンターレに残留でも悪くないが、「サッカー日本代表」としてみれば、北中米W杯は悲願でもある「ベスト8以上」の成績を残す最大のチャンスだ。
三笘薫や久保建英、遠藤航、板倉滉、堂安律、守田英正、鎌田大地といった最高のタレントたちがチームとして機能し、最も良いタイミングでW杯を迎える。
高井が欧州レベルを体験しこの1年でさらに実力を伸ばし、W杯で板倉や町田、伊藤といった主力CBに並ぶ選手となれたならば、もしも冨安健洋がW杯本番でプレーできなかったとしても不安感はかなり少なくなるだろう。
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