
マルチな久保建英の存在を活かしたいレアルソシエダ、アルグアシル監督はチームを立て直せるか
写真:レアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督(Winner Media/アフロ)
3月3日に行われるラ・リーガ第24節「レアル・ソシエダ対カディス」の一戦は、今季のソシエダにとってターニングポイントとなる試合となることだろう。
シーズン序盤~中盤まで好調だったソシエダは、レアル・マドリード戦とバルセロナ戦の連戦以降、明らかにペースが落ちてしまっている。
疲労の蓄積はもちろんのこと、フォーメーション変更も上手くいっていない。
アルグアシル監督は、今こそ攻撃的なポジションならばどこでもプレー可能な久保建英を改善に一手に使ってもらいたいところだ。
明らかに機能していない「4-3-3」
今季のレアル・ソシエダは、「4-4-2」のフォーメーションで戦ってきた。
基本の形は、セルロートと久保のツートップにトップ下がダビド・シルバという形だ。
中盤はダイヤモンドとなり、両サイドにブライス・メンデスとミケル・メリーノ、そして中盤の底にスビメンディが配置されている。
この形が、攻守ともに非常にバランスが良く、バルセロナとレアル・マドリードに次ぐ3位、EL(ヨーロッパリーグ)のグループステージ1位通過という結果につながった。
しかし、エースのオヤルサバルが完全復帰すると、彼の得意とする左WGというポジションを作るために、かつて使っていた「4-3-3」に戻したのだ。
結果的に、これがここ数試合のソシエダの不調の原因の1つとなってしまった。
アルグアシル監督としては、シーズンを4位以内にフィニッシュするためにも、何かしらの一手を講じるべきだと言えるだろう。
「4-3-3」から「4-4-2」への回帰、そしてトップ下久保という選択肢
アルグアシル監督が選択できる改善策は、主に2つだろう。
1つは、現在の「4-3-3」を短期間でブラッシュアップし、完成形に近づけること。
そしてもう1つが「4-4-2」にフォーメーションを戻し、シーズン序盤の戦い方に戻すことだ。
アルグアシル監督がどちらの選択肢を実行するのかによって、3月のソシエダの戦績は大きく変わるかもしれない。
ダビド・シルバが本格的に復帰できるまでの期間、最も可能性を感じるのは、オヤルサバルとセルロートの2トップと久保建英のトップ下という形だろう。
久保建英というマルチな選手がいるからこそ、シルバが不在でも「4-4-2」に戻すことが可能なのだ。
W杯後の久保は逞しさが増し、中盤でプレーする際はダビド・シルバのレベルにかなり近いプレーができるようになってきている。
「4-3-3」のフォーメーションをブラッシュアップする選択肢も十分にありえるが、悪い流れを変えるためには、大幅な変化がもっとも有効となるはずだ。
はたしてアルグアシル監督はどちらを選択するのだろうか。
注目のカディス戦のキックオフ予定は、3月3日の29時(日本時間)となっている。
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