ELでも露呈した三笘薫の弱点、ワンランク上を目指すために必要な「ドリブル後のクロスの質」
写真:三笘薫(提供:REX/アフロ)
日本代表MF三笘薫が自身初となるEL(ヨーロッパリーグ)に挑んだ。
9月21日、ELグループリーグ第1節「ブライトン対AEKアテネ」の一戦が行われ、2-3でAEKアテネが初戦をものにした。
ブライトンが挙げた得点は2点ともPKで、崩し切っての得点は生まれなかった。
三笘は前半終了間際に得意のドリブルでエリア内に侵入するプレーを見せたが、これまで同様にクロスの質が悪く得点に繋げることができなかった。
三笘のドリブル後のクロスは決定的な弱点
三笘薫といえば、今やプレミアリーグを代表するドリブラーだ。
1対1の状況で前を向き勝負ができれば、かなり高確率で抜き去ることができる、
そのため、各チームは三笘がボールを足元で持った瞬間からSBとボランチ、もしくはSBとWGの2枚で対応する「三笘対策」を講じている。
しかし、試合を通じて常に「2対1」の状況を作り続けるのは至難の業で、1試合に何度か1対1の場面が生まれる。
そのタイミングこそ三笘が得点やアシストといった直接的な仕事をする場面なのだが、「縦にドリブルでかわしてエリア内にクロス」というプレーの質が悪いのだ。
もちろん、それ以外のプレーはどれもプレミアリーグでもトップクラスの質を誇る。
・ドリブルで縦に行くと見せかけて右足で中にクロスを入れる
・中にカットインしワンツーを狙うorシュートを狙う
・カウンターなど裏にスペースがある状態ならば縦にドリブル突破しアウトサイドで中にグラウンダーのパスを入れる
・ドリブルを仕掛けるフリをしながらマークを引き付けてフォローに入った味方を使う
これらのプレーができるだけでも素晴らしいのだが、試合の中でさらに決定的な仕事を増やすためには、やはり「縦へのドリブル突破からのクロスの質」を改善すべきだろう。
アテネ戦でも見受けられたが、相手DFからすると縦にドリブルで抜いた後のクロスの質が悪いため、「中を切っておけば問題ない」と思わせてしまう。
DFが待ち構えている状況からドリブルで抜き去るスキルは圧巻だが、その際はすでにエリア内には多くのDFが準備している。
三笘はドリブルで抜き去った後に低いクロスを多用しているが、これでは蜘蛛の巣に向かって飛び込むようなものだ。
エリア内深くまで切り込めるのであれば、手前のDFの頭の上を越すふわりとしたクロスが最も効果的となるはずだ。
そうしたプレーを習得するためには、やはり右足にこだわり過ぎずに左足でのクロスも磨いていくべきだろう。
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