120分の死闘はPK戦の末マンUに軍配、ブライトン三笘は退場のリスクを冒すなど大舞台の経験値不足を露呈
写真:三笘薫(提供:REX/アフロ)
4月23日、イングランドFA杯準決勝「ブライトン対マンチェスター・ユナイテッド」一戦が行われ、0-0(PK6-7)でマンチェスター・ユナイテッドが勝利した。
トップクラブ同士の白熱した試合は、120分間戦い抜いてもゴールは生まれなかった。
PK戦も両チーム合わせて12人連続成功となったが、ブライトンの7人目のキッカーとなったソリー・マーチが外し、マンチェスター・ユナイテッドの7人目リンデロフが見事決めて勝利を掴んだ。
日本代表MF三笘薫は、後半途中までユナイテッドのSBワンビサカの厳しいマークに苦しむも、後半途中から延長戦にかけては多くのチャンスを作った。
しかし、113分には1枚イエローカードをもらっている状態からGKデヘアに勢いよく交錯するなど、大舞台の経験不足が露呈した。
なお、三笘はPK戦では出番が回ってこなかった。
激しい攻防が120分続くもお互い決め手を欠き得点は生まれず
カップ戦ならではの緊張感のある戦いだった。
ブライトンはいつも通り丁寧なビルドアップで試合をコントロールしようとするも、ユナイテッドの球際が非常に強く、何度も奪われてカウンターといった展開に。
しかし、鋭いカウンターも体を投げ出してブライトンDFが防ぐなど、得点が入りそうで入らないまま時間だけが過ぎていった。
前半終了前10分はユナイテッド、後半初めの15分はブライトンといったように、互いに良い時間帯を作るものの、サンチェスとデ・ヘアの両GKの好セーブなどもありネットを揺らすことができなかった。
ユナイテッドはサンチョやフレッジ、ベフホルストなど交代枠5をフル活用したのに対して、ブライトンは延長戦を含めてフェルトマンとウンダブの2枚しか交代させなかった。
選手層の薄さゆえに、ブライトンは交代カードを切れなかったのだ。
さらに、交代で入ったウンダブが流れに乗れずミスを繰り返しただけに、「前の試合で負傷したエバン・ファーガソンこの試合に出場できていれば」と悔やまれる。
それでもブライトンは、三笘とマーチという左右のWGの突破力で何度もチャンスを作ったが、結局ゴールネットは揺らすことができなかった。
これでFA杯は準決勝敗退となったブライトン。
来季ELに出場するためには、プレミアリーグで5位に入るしかなくなった。
今後行われるリーグ戦に向けてチーム全体が上手く切り替えていく必要があると言えるだろう。
後半途中までボールは足に付かず、退場のリスクを冒すなど大舞台の経験値不足が露呈した三笘
後半や延長戦では何度も相手の脅威となった三笘だったが、試合を通してみると「大舞台の経験値不足」が露呈したと判断できる。
前半から後半途中まで、ユナイテッドのワンビサカのマークに苦しんだだけでなく、単純にボールが足についておらず、試合に入り切れていなかった。
また、すでにイエローカードを1枚もらっている状態から、再び無理に足を伸ばしてデ・ヘアと交錯するなど、退場となってもおかしくないプレーもしてしまったのだ。
退場にならなかったのが幸運だと言えるほど、非常に危険なプレーであったと言える。
もしも退場になっていたら、その瞬間にFAカップ準決勝の好試合が壊れてしまうところだった。
プレミア屈指のWGとなった三笘だが、やはりプレミア1年目で大舞台ではまだまだ経験が不足している。
才能やサッカーに取り組む姿勢も良いだけに、今回のFAカップのような大舞台の経験値を1つずつ増やしていくことで、より洗練された選手となっていくことだろう。
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