
癒えない王座陥落の傷。苦戦続きのチームに向け、篠田龍馬が伝えたいこと「大事なのは、自分がどういう選手でありたいか」【全日本選手権 準々決勝|インタビュー/名古屋】
【第30回全日本選手権|準々決勝】名古屋オーシャンズ 5-4 バサジィ大分(3月20日/駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場)
3月20日、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場にてJFA第30回全日本フットサル選手権大会の準々決勝が行われ、名古屋オーシャンズとバサジィ大分が対戦。5-4で勝利した。
今シーズン、名古屋は8年ぶりに優勝を逃し、2位でリーグ戦を終えた。
そして、2月22日からは全日本選手権が開幕。このままシーズンを終わるわけにはいくまいと今大会に臨む一方で、チームは本来もっているはずの圧倒的な強さを見せることができず。
地域代表チームによる“ジャイキリ”は回避しベスト8に進出したものの、準々決勝では怪我人多発によりメンバーが9人しかそろっていない大分に大苦戦。終盤には2点差を詰められたのちに逆転を許し、残り1分でもう一度同点に追いつき、最後は相手のミスから決勝点を決めて、土壇場で勝利をつかんだ。
「選手一人ひとりがいろんな思いを抱えながらプレーしている。でも、それを言い訳にしてはいけない」
2016年にも名古屋でリーグタイトルを逃し、誰よりもその苦しみを理解する篠田龍馬が、今大会に臨む上での「大事な心持ち」を語った。
取材:福田悠
文:青木ひかる
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選手としての自分の価値を、この大会で証明する
──勝ち切ったものの苦しい試合だったと思いますが、振り返っていかがですか。
ある程度苦しい試合になるだろうということは予想して準備はしていたものの、予想以上に難しくなってしまいました。大分は人数が少ないなかでもハードワークを続けるチームですし、できることを割り切ってやってくることが、逆に嫌だった。最終的に勝てればいいという気持ちでプレーしていましたが、それにしても反省点が多すぎるゲームになった印象です。
──終盤に逆転を許しましたが、時間帯的もあり少し焦りがあったように見えました。
焦りは、絶対にありましたね。相手はパワープレーとまではいかないような、やや中途半端な位置までGKを上げてきて、プレスも行くのか行かないのか、ライン設定が難しい時間が続いていました。もちろん大分がそういうやり方をしてくることはわかっていて、練習のなかではある程度適応した状態でしたが、そういったやりづらい状況が長くなればなるほど、当然エラーも徐々に起きやすくなってしまう。ある程度は仕方がない部分もあります。
それでも、防げる部分もあったと思いますし、準備して警戒していたところで失点をしてしまったのは、しっかり映像を見返して、修正しなければいけません。しながわもどれくらいGK攻撃をして同じようなことを狙ってくるかはわからないですが、リーグ戦でも黒本(ギレルメ)選手を活用した攻撃はずっとやられてきているので、今日の反省を生かせるように。苦戦したという現実は受け入れつつ、メンタルとしてはひとまず一度リセットして、次に繋がるように頑張ります。
──リーグ優勝を逃したなか、篠田選手個人としてはこの大会にどういった思いをもって今、臨んでいますか。
リーグ優勝を逃してしまったという事実は、この選手権で優勝しても変わらないことですし、取り返すことはできません。一方で、我々は「名古屋」がどんなチームであるかを示すために、ここで優勝する姿を見せなければいけない。前に優勝を逃したときは選手権もすぐに負けてしまったので、それは一つクリアできました。
現状、選手一人ひとりがいろんな思いを抱えながらプレーしていることを考えると、リーグで優勝していたとしてもそうでなくても、難しい大会だと感じます。ただ大事なのは、どれだけ難しい心情や状況でも、自分はどういう選手でありたいか。「このまま終わっていいのか」という気持ちをもって、一人ひとりが、選手としての自分の価値をこの大会で証明することが、一番大事だと僕は考えています。
結果として明日に繋がったということは良かったですが、このままでは絶対に勝つことはできないと、全員がわかったはずです。一人ひとりがさらに強い気持ちをもって臨むしかないし、それができる選手しかこの場と、このチームにはいちゃいけないと思っています。
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