プレミアリーグのトップクオリティに適応したリヴァプール遠藤航が6試合連続スタメンで活躍
遠藤航(写真:ロイター/アフロ)
12月23日、プレミアリーグ第18節「リヴァプール対アーセナル」の一戦が行われ、1-1の引き分けに終わった。
この試合でスタメンフル出場したリヴァプールの遠藤航は、攻守に存在感を見せるなど6試合連続のスタメン起用に応えた。
上位の2クラブが引き分けだったため、プレミアリーグの優勝争いは勝ち点差6の中に5チームがひしめく大混戦となっている。
30歳でレベルアップした遠藤航の凄さ
日本代表のキャプテンであり、ブンデスリーガ屈指の守備的ボランチだった遠藤航がリヴァプールに移籍したのは30歳になってからだった。
所属していたシュツットガルトはブンデスリーガで毎シーズン降格争いをしているクラブであり、世界的に見れば遠藤は無名に近かった。
しかし、ドイツ人指揮官は以前より遠藤航の能力を把握しており、中盤で思うような補強ができない中の緊急補強として遠藤を獲得した。
カイセドやロメオ・ラビアといった獲得したかった本命ではなかったことに加え、遠藤が世界的に無名であったため、「リヴァプールの夏の補強は失敗だ」と落胆された。
しかし、30歳の世界的に無名なMFはリヴァプールに適応した。
加入から数ヶ月はプレミアリーグの強度とスピード感に圧倒され、中盤で簡単にボールを奪われるなど脆さも見せた。
しかし、時間の経過と共に適応していき、公式戦で6試合連続スタメンを張るまでになった。
元々デュエルの強さはトップクラスで、その部分はプレミアリーグでも通用すると予想されていた。
驚かされたのはビルドアップの成長だ。
あまり足元の技術は高くなく、トラップが大きくなりボールを奪われることも多い選手ではあるが、その部分がたった数ヶ月で大幅に成長しているのだ。
20代前半の選手であれば成長も理解できる。
しかし、30歳のプレミアリーグ未経験の選手がリヴァプールの中盤の要として違和感なくビルドアップに参加している(特にここ数試合はボールが集まる)のは、サッカー界の常識からするとかなり驚きだ。
選手として必死にクロップの戦術を理解し、プレミアリーグでのプレーレベルに自身をどのようにフィットさせるかを考え、愚直にチャレンジしてきたからこそ辿り着いた完成形なのだろう。
この成功は今後20代後半や30歳前後でトップリーグに移籍する日本人選手の良いモデルケースとして長年参考になっていくはずだ。
今後は大物選手の加入や年齢との戦いも
遠藤航がたゆまぬ努力を続け勝ち得た現在の立ち位置は、遠藤のリヴァプール移籍が成功であったことを証明している。
しかし、遠藤が所属しているのは世界の超一流選手たちが集うリヴァプールだ。
今冬の移籍市場や来夏の移籍市場でリヴァプールが世界的なアンカーを獲得する可能性は十分にある。
さらに2024年の2月には31歳になり、今後は年齢による肉体的な衰えとも戦っていかなければならない。
日本代表のキャプテンとして、2026年北中米W杯までトップオブトップのレベルをキープできるのか、注目だ。
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